研究課題/領域番号 |
18K10164
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
松田 真由美 国際医療福祉大学, 成田看護学部, 講師 (40634572)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 腋窩・鼠径部冷却 / 自律性体温調節 / 行動性体温調節 / 温度感覚 / 温熱的快適感 / 発熱時の看護 |
研究実績の概要 |
日本では看護師が患者の発熱時に、解熱や不快感の軽減を目的として腋窩や鼠径部など体幹部付近の冷却を行うことが多いが、その有益性については根拠が乏しい。申請者はこれまでに成人女性1名を対象に腋窩・鼠径部の冷却実験を行った。被験者はベッド上で仰臥位安静とした。氷嚢を用いて腋窩・鼠径部の冷却を60分間行うと、鼓膜温、平均血圧が上昇する傾向を示した。また、寒さによる不快感が生じた。寒冷刺激に対して、皮膚血流の減少(熱放散の抑制)、エネルギー代謝の亢進(熱産生の亢進)が起こり、深部体温が上昇する傾向になったものと考えられる。冷却により血圧が上昇傾向にあることから、循環器系への負担が増えることも考えられる。発熱時には平熱時よりも体温を上昇させるための体温調節反応が強くなると考えられ、冷却による体温・血圧の上昇や不快感は平熱時よりも強くなる可能性も考えられる。発熱時に行うケアとして、腋窩・鼠径部冷却の有益性を再考する必要があることが示唆された。今後、皮膚血流や代謝量等の自律性体温調節反応を測定できるよう準備を整え、被験者数を増やしていく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
産休・育休取得に伴い研究を中断していたことから、計画通りに研究が進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
皮膚血流量、代謝量、血液検査データ等、自律性体温調節反応を測定する準備を整え、本実験を開始する予定である。新型コロナウィルス感染症流行に伴い、実験開始時期の見通しは立っていないが、ヒトを対象とした実験である為、十分な感染予防対策を行い、安全に実験が行えるよう準備を進める。被験者へ充分な説明をし、同意を得て、体調に問題の無いことを確認し実験を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
産休・育休取得に伴い研究を中断していた為、予定通りに研究が進んでいない。今後自律性体温調節反応を測定する機材を揃えていく必要がある。
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