研究課題/領域番号 |
18K10168
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
大西 麻未 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (10451767)
|
研究分担者 |
田中 郁美 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (50846110)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 患者参加 / 医療者-患者間協働 |
研究実績の概要 |
令和2年度は、医療者と患者との協働のおける課題を検討するために、外来通院による加療を継続している患者が、医療者との協働についてどのように認識しているか、またその認識と患者の特性がどのように関連しているかを明らかにすることを目的とした量的調査を実施した。医療者との協働の測定には、文献を元に作成した「共同の意思決定」「患者を経験的知識のある専門家として承認すること」「セルフケアと自律性の促進」「医療者-患者間のコミュニケーション」を構成要素とする尺度項目を用い、前年度の調査結果を参考に、個人属性に加えヘルスリテラシーやソーシャルサポートなどを関連要因として合わせて測定した。調査パネルを有するインターネット調査会社の登録者のうち、関東在住の20才以上の外来通院患者であることを基準とし、2021年2月にWEB調査を実施して351名から回答を得た。対象者には高血圧患者が最も多く、その他脂質異常、糖尿病などの疾患が占めていた。医療者との協働の認識については、「医療者-患者間のコミュニケーション」の平均点が最も高い結果であった。また、治療やケアの決定においては、86%が医療者と患者が共に考え決定するべきと回答したが、実際の関係において共に考え決定していると回答したのは72%であるなどの結果が得られた。今後、データ分析を進め、患者特性との関連について検討する予定である。また、前年度から実施している患者参加の促進・阻害要因を対象としたインタビュー調査の成果及び文献レビューの成果について発表を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和2年度は予定通り患者を対象とした量的調査を実施することができ、WEB調査に切り替えて実施したため、その点では進捗している。研究者の体調不良によりスケジュール通り進められない時期があったため、医療者対象の調査に着手できていない点でやや遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
現在、医療者を対象とした調査を計画中である。使用尺度などの検討が終了次第、WEB調査など負担を対象者にあまりかけず実施可能な方法をとり、調査を進める予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響が継続したため学会の開催がWEBで行われ、発表・参加にあたり旅費が生じなかったことと、医療従事者対象の調査が未実施のためである。次年度、WEB調査などに方法を変更して実施するためその費用として用いる予定とする。
|