研究課題/領域番号 |
18K10170
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研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
佐々木 幾美 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (90257270)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 早期離職 / 新人看護師 / 再就職 / 職業継続 / 教育支援 / シームレス |
研究実績の概要 |
本研究は、早期離職をした新人看護師が再就職した医療施設で職業継続できている実態を、職業選択とその後の職場適応およびキャリア支援の点から明らかにするとともに、看護基礎教育から継続教育へのシームレスな教育支援のモデルを作成し、運用に向けた準備をすすめることである。2020年度は質問紙調査を実施し集計した。 100床~299床の全国3893病院に協力依頼し、了解が得られた病院に在職する①早期離職後に再就職した看護師、②研修責任者を対象者とした。調査期間は2020年2月~9月であり、所属機関の研究倫理審査委員会で承認を得て実施した。 回答があった825施設(21.2%)のうち、741施設(89.8%)は該当者なしであった。66施設に在職する看護師123名、研修責任者66名に質問紙を配布、看護師55名(回収率44.7%)、研修責任者46名(回収率69.7%)の回答を得た。 看護師の回答として、「勤務時間内で仕事が終わる」40名(72.7%)、「相談や面談の機会をつくる」40名(72.7%)、「通常よりゆっくりとしたスケジュールで指導計画を立てている」39名(70.9%)という教育支援体制であり、職場環境は「困ったときにいつでも相談できる人がいる」44名(80.0%)、「部署・病院内は顔の見える関係である」42名(76.4%)、「目標やモデルになるようなスタッフがいる」42名(76.3%)、「ワークライフバランスがとりやすい職場である」39名(71.0%)であった。 研修責任者の回答として、「部署・病院全体でサポートされている」42名(91.3%)、「ワークライフバランスがとりやすい職場である」40名(87.0%)という職場環境であり、「健康面を考慮して部署の配属をしている」42名(91.4%)、「相談や面談の機会をつくるようにしている」42名(91.4%)等の教育支援を行っていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、回収数が想定より少ないことを受けて、150床以上300床未満の全病院2452施設に加え、100床以上150床未満の全病院1441施設を追加して調査を実施したため、時間を要した。 インタビュー調査については、調査結果を受けてインタビューガイドを見直す必要が出てきたこと、オンラインだけでなく、対面でのインタビューの可能性を模索したため、実施ができなかった。 看護基礎教育機関におけるキャリアガイダンスに対するヒアリング調査については、新型コロナウイルス感染症の影響で、これまでの状況と異なり大きく変化があることが予想されるため、インタビューガイドの再検討が必要となった。
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今後の研究の推進方策 |
インタビュー調査については、早期離職後に再就職した看護師11名、研修責任者5名から、協力の内諾を得ているが、対面での依頼であったため、オンラインでのインタビュー依頼を改めて行い、実施する。 看護基礎教育機関におけるキャリアガイダンスに対するヒアリング調査については、新型コロナウイルス感染症の影響で、これまでの状況と大きく変化があることが予想されるが、その内容も含めてインタビューガイドを検討し、オンラインでのヒアリング調査を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の拡大により、インタビュー調査についての内諾は得られているが、2021年度に実施する計画に変更した。そのため、謝礼や交通費、逐語録作成の委託費を使用しなかった。インタビュー調査およびキャリアガイダンスに対するヒアリング調査については、オンラインを用いた調査を中心に実施する予定である。
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