研究課題/領域番号 |
18K10170
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研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
佐々木 幾美 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (90257270)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 早期離職 / 新人看護師 / 再就職 / 職業継続 / 教育支援 / シームレス |
研究実績の概要 |
本研究は、早期離職をした新人看護師が再就職した医療施設で職業継続できている実態を、職業選択とその後の職場適応およびキャリア支援の点から明らかにするとともに、看護基礎教育から継続教育へのシームレスな教育支援のモデルを作成し、運用に向けた準備をすすめることである。 2022年度は早期離職後に再就職した看護師と研修責任者に対してインタビュー調査を実施した。早期離職後に再就職した看護師1名と研修責任者3名からの協力が得られた。また、看護職の無料職業紹介事業を行っている都道府県ナースセンター担当者に対してヒアリング調査を実施した。早期離職後、再就職を希望してナースセンターを利用する新人看護師の相談や紹介を行っていることから、早期離職後に再就職を希望する新人看護師の相談状況、助言・支援の詳細、新型コロナウイルス感染症による影響について調査を実施した。5県7名の協力が得られた。 早期離職後、再就職を希望する新人看護師の状況では、「自分の健康の不安(特にメンタルヘルスに関連したものが多い)」、「自分の適性への不安(仕事のスピードについていけない)」、「先輩や上司との人間関係(仕事上の悩みや困難を相談ができない)」などといった理由が出された。また、社会人経験者も比較的多く、仕事での価値観の相違、早い時期に独り立ちを求められる状況が語られた。加えて、新型コロナウイルス感染症の影響で、実習やインターンシップの経験が乏しいため、働く場や仕事に対するイメージが不十分であったり偏っている場合があり、入職した際のギャップが大きく、離職につながる事例が生じていることが語られた。再就職先では、「スピード感があっていること」、「寛容な雰囲気」からケアミックス病院を選択した事例などが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
インタビュー調査については、66施設に協力依頼をしたが、新型コロナウイルス感染症の影響があり、インタビューを得られたのは早期離職後に再就職した看護師1名と研修責任者3名のみであった。研究参加者を確保するために協力施設を拡大して募集を継続することとしている。また、都道府県ナースセンター担当者にもヒアリング調査を依頼して5県7名の協力が得られたので、依頼する県を拡大して募集を継続することとしている。
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今後の研究の推進方策 |
インタビュー調査については、協力施設を拡大して募集を継続することとしている。また、ヒアリング調査については、依頼する県を拡大して募集を継続することとしている。インタビュー方法は、オンラインと対面のいずれかの方法を選択できるようにして、参加者の希望に合わせて実施する。 看護基礎教育機関におけるキャリアガイダンスに対するヒアリング調査については、オンラインと対面のいずれかの方法を選択できるようにして、参加者の希望に合わせて実施する。フォーカスグループインタビューだけでなく、個別インタビューも含めて実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の拡大により、インタビュー調査の参加者が少数であり、すべてオンラインでのインタビューに切り替えたため、調査のための旅費は発生せず、郵送費、逐語録作成の委託費等の使用額が少なくなった。2023年度は継続して参加者募集を行い、インタビュー調査およびヒアリング調査をオンラインまたは対面のいずれかの方法を参加者の希望に合わせて選択できるようにする計画であるため、そこに係る旅費、郵送費、逐語録作成等に使用する予定である。
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