研究課題/領域番号 |
18K10171
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研究機関 | 松蔭大学 |
研究代表者 |
丸山 昭子 松蔭大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20338015)
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研究分担者 |
鈴木 英子 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 教授 (20299879)
吾妻 知美 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (90295387)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | アサーティブネス / 看護師 / 育児 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、乳幼児を持つ女性看護師のアサーティブネス尺度の開発である。これまで我々が明らかにしてきた「乳幼児を持つ女性看護師が職場でアサーティブになれない状況」をもとにして、今年度は尺度の原案(質問項目)を作成した。作成にあたっては、前年度実施した国内外の文献検討や、昨年度および今年度の学会の発表で得た知見も熟考し、分担研究者とのブレーンストーミングを重ねた。 前年度、重点的に行った文献検討では、アサーティブネス尺度として世界的に用いられているRathus assertiveness scheduleで評価できるのは自己表現の傾向であり、一般的な日常生活の場面をもとに作成されているにも関わらず、看護師を対象としたアサーティブネスの研究に多用されていること、アサーティブネスは相手や場面によって異なるため、乳幼児を持つ女性看護師を対象としたアサーティブネス尺度の開発が重要であることが明確になった。 学会発表では、育児休暇や短時間勤務などの子育て支援制度や、多様な保育サービスがあっても、看護職という特殊性から十分に活用できない状況がみてとれた。また、社会・職場ともに、子育てに関する理解が不十分であることが示唆された。さらに、乳幼児を持つ女性看護師が職場でアサーティブになれない状況についての学会発表では、「病院という特殊な職場であること」、「日頃育児に関することで病棟に迷惑をかけているという遠慮」、「子育てに対する職場の配慮や理解不足」が明らかとなった。学会発表では、実際に子育てを担っている看護職の方から質問や感想を聞く機会ともなり、乳幼児を持つ女性看護師のアサーティブネス尺度の質問項目の作成において、より具体的な構想を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は、尺度の原案を用いた調査を実施し、信頼性・妥当性の検証までを実施する予定であったが、原案作成に留まった。その理由として、昨年度の研究の遅れにより尺度の原案作成が今年度にずれ込んだこと、今年度(2月末~3月末)に予定していた病院での調査が新型コロナウィルスという不測の事態で延期せざるを得ない状況となったためである。
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今後の研究の推進方策 |
乳幼児を持つ女性看護師を対象としたアサーティブネス尺度の原案は作成済みであるので、今後は新型コロナウィルスの状況をみつつ、調査対象施設である病院の受け入れ態勢が整備され次第、調査を実施し、信頼性・妥当性の検討を進めていきたいと考える。その成果発表としての学会発表や論文作成は、調査時期により考慮する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、調査が実施できなかったため、調査に係る費用が発生しなかった。次年度は、調査の費用(郵送料・謝金・データ入力等)と、尺度の信頼性・妥当性を分析する上で必要となる解析ソフトの購入費用に今年度の残りを充てる計画である。
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