研究課題/領域番号 |
18K10192
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
豊里 竹彦 琉球大学, 医学部, 教授 (40452958)
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研究分担者 |
眞榮城 千夏子 琉球大学, 医学部, 講師 (70295319)
平安名 由美子 琉球大学, 医学部, 助教 (30639521)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ソーシャルキャピタル / 看護師 / ワークライフバランス |
研究実績の概要 |
「ソーシャルキャピタルを基盤とした看護師のワークライフバランス推進モデルの構築」に向けて、看護職を対象とした調査研究を実施するため、人を対象とした医学系研究倫理審査委員会に研究計画書を提出した。人を対象とした医学系研究倫理審査委員会からの承認後、直ちに質問紙調査を実施する準備はできているが、新型コロナウイルスの影響により対象とする病院や施設からの研究協力が得られにくい状況である。 また、これまでのソーシャルキャピタルと看護師のワークライフバランスとの関連について得られたデータを解析し、論文作成および投稿の準備をしている。研究の概要は、約120病棟にネストされた2040名の看護師を分析対象とし、性別、年齢などの基本属性を調整変数、集団レベルの職場ソーシャルキャピタルを独立変数、ワークライフバランスを従属変数とするマルチレベル分析にて検討した。級内相関係数ICC(intraclass correlation coefficients)は約10%を示し、病院看護師のワークライフバランスの約10%は集団レベルで説明できることが示唆された。また、ワークライフバランスは個人レベルの職場ソーシャルキャピタルを調整しても集団レベルの職場ソーシャルキャピタルが有意に関連することが明らかとなった。また、その関連は職場のソーシャルサポート、特に同僚のソーシャルサポートではなく、上司のソーシャルサポートによって媒介される可能性が示唆された。本研究結果より、看護師のワークライフバランスには集団レベルの要因(例えば組織風土)と上司サポートの影響が示された。また、上司の役割遂行によって職場風土の醸成が報告されるなど相乗効果が考えらるので、今後は上司の役割遂行の促進要因についても検討を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年からの新型コロナウイルスの影響により、病院や施設の業務量増加により、本調査依頼ができていない状況である。 人を対象とした医学系研究倫理審査委員会に研究計画書を提出して、いつでも研究が実施できる状況ではある。新型コロナウイルスの状況をみながら、引き続き研究依頼をしていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
ソーシャルキャピタルと看護師のワークライフバランスとの関連についてのデータを解析し、論文作成および投稿の準備をしつつ、新型コロナウイルスの状況と各病院や施設の担当者と密に連携を取りながら、調査が実行できるよう準備していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響により、研究対象である病院や施設からの研究協力がえられず、調査に至っていない状況である。 現在、病院・施設の担当者と密に連絡をとり、調査実施に向けて取り組んでいる。残金は、今年度計画している研究調査に必要な経費、例えば調査用紙の印刷、封筒や郵送費に当てる。
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