研究課題/領域番号 |
18K10194
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研究機関 | 群馬県立県民健康科学大学 |
研究代表者 |
小倉 敏裕 群馬県立県民健康科学大学, 診療放射線学部, 教授 (40369369)
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研究分担者 |
林 則夫 群馬県立県民健康科学大学, 診療放射線学部, 准教授 (50648459)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 人工知能 / 脳波 / 脳卒中 / ディ-プラーニング |
研究実績の概要 |
ディープラーニングで脳波を解析するのためのPC構成システムを検討し、LINAX仕様のコンピュータを使用しやすいwindows仕様に変更した。物理シミュレーション等で使用される「倍精度演算」の処理速度を犠牲にして、その分、人工知能で使用される「単精度演算」に特化させるため、人工知能向けGraphics Processing Unit(グラフィックス プロセッシング ユニット「リアルタイム画像処理に特化した演算装置ないしプロセッサである」の適正な選択とwindows向けのセットアップを行い、ニューラルネットワークコンソールの使用が、容易にかつ高速にできるようチューニングを行った。ディープラーニングの使用の場合、Pythonのプログラミングが必要とされたが、このニューラルネットワークコンソールの使用によりコードで表現するしかなかったニューラルネットワークを、視覚的に、簡単に構築することができるようになった。レイヤーの繋がり方も直感的にわかりやすく、追加や組み替えドラッグアンドドロップで簡単にできるようになった。そして学習過程もリアルタイムでグラフ表示させることができ、また、学習後の評価結果も表形式にまとめて表示させることができるようになった。いままで、ディープラーニングの過程を確認するには、学習過程をログに出力して、そのログを解析して、そしてその解析結果をグラフ化するという作業が必要であったが、ニューラルネットワークコンソールの使用により簡単に確認できるようになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.人工知能の開発環境を整えるため、グラフィックス プロセッシング ユニットを準備した。その結果ニューラルネットワークコンソールを高速にかつ容易に使用し、脳波を解析する環境が整った。一方、最も患者に負担が小さく、簡便に装着できる簡易脳波計の選択として、新しい簡易脳波計であるマインドウエーブ2の導入をきめた。この簡易脳波計を使用し、テスト的に実験者自身に各種刺激を付与し、様々な脳波がキャプチャできるかどうかを調べ、PC内にデジタルデータとしてキャプチャできることを確認した。一方、各種脳波を取得し、人工知脳を用いて解析することに対する倫理審査許可も取得しており、研究準備は整いおおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
今後脳波データ収集のため健常ボランティアを募る前に、簡易脳波計であるマインドウエーブを用い、どのような刺激が取得しやすいか、あるいは、刺激に対してどの脳波の分別が最も簡単かを調べるために、まず、集中度を用いて調査する。これは、ディープラーニングによって、集中している時か集中していないときであるかを容易に分別できるかどうかを調査するものである。5ケタの足し算を計算している時を集中思考状態、1ケタの足し算を行っている時を集中していない時の思考状態とし、5ケタの計算と1ケタの計算をランダムそれぞれ100問行い、得られた脳波画像をあらかじめ集中思考状態または集中していない時の思考状態であるというラベルと共にニューラルネットワークコンソールを用いて登録し、教育する。その後、5ケタの足し算と1ケタの足し算をランダムに行い、その時の脳波画像をニューラルネットワークコンソールを用いて解析し、ニューラルネットワークコンソールによって入力した脳波画像は集中状態の脳波か、集中していないときの脳波かを判定させるという予備実験を行う。この予備実験を研究者2人で行い、良い結果が得られた場合、健常ボランティアを募り様々な刺激を与えたときの脳波を取得し、ニューラルネットワークコンソールを用い、どのような刺激を与えたときの脳波であるかを判定させる。しかし、脳波にはα、β、γ、θなど様々なものがあり、どのデータを用いると良い結果が出るか綿密に調査していく必要があるので、最も良いと思われる脳波の波を調査する。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末近くにコンピュータ関連部品を購入しようとしたが、年度内に納入が間に合わないため、断念し残額となった。
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