研究課題/領域番号 |
18K10194
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研究機関 | 群馬県立県民健康科学大学 |
研究代表者 |
小倉 敏裕 群馬県立県民健康科学大学, 診療放射線学部, 教授 (40369369)
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研究分担者 |
林 則夫 群馬県立県民健康科学大学, 診療放射線学部, 准教授 (50648459)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 人工知能 / 脳波 / 脳卒中 / ディ-プラーニング |
研究実績の概要 |
前年度ディープラーニングで脳波を解析するのためのPC構成システムを検討、構築した。そのPCシステムにニューラルネットワークコンソールというソフトウエアを導入し、各種刺激を体に与えたときの脳波の種別を容易に判別できるようにするソフトを作成した。一方、簡易脳波計を用い、人工知能技術を利用し体感感覚をくみ取るシステムの開発に関する倫理審査を通過させ、その審査をもとに、学内にて健常ボランティア募集の案内を公示して研究協力者を公平に募り各種の刺激を与えたときの脳波の取得を行った。例えば、暖かいカイロを下肢に接触したとき「暖かい」と考えてもらい、簡易脳波計を用いて脳波を取得する。このように本研究で研究協力者に行ってもらう実験内容は「頭の中で何かを意識する」という比較的簡単なことで、また、簡易脳波計は耳朶と頭部前額の二点の接点だけで計測する着脱容易なものを使用した。暖かいカイロでの刺激や冷たいタオルでの刺激、良い香りのものや、心地よい音楽など様々な刺激20種類を与え、現在の所15名ほどのデータ収集を終えた。また、何の刺激も与えない時の脳波も取得した。 各種刺激と何の刺激も与えない時の脳波を収集し、フーリエ変換して、各周波数ごとに分離し、α波、β波、γ波、θ波などの信号を得た。また、lowα波、lowβ波、 highα波, highβ波等数多くのデータを同時に計算、分離しデータ量を増やした。これらのデータをPC構成システムに入力し、ニューラルネットワークコンソールのソフトウエアを用いディープラーニングによって何の刺激も与えないデフォルトの時の脳波と各種刺激付与時の脳波が判別できるかを解析した。現在の所、80%以上の確率で判別できる刺激から判別が難しい刺激など様々な刺激があることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由 1.簡易脳波計であるマインドウエーブを用い、各種刺激を与えたときの脳波を取得し、人工知脳であるディ-プラーニングを用いて解析することに成功してる。現在のところ、健常ボランティア募集の案内を公示して研究協力者を公平に募り、暖かいカイロでの刺激や冷たいタオルでの刺激、良い香りのものや、心地よい音楽など様々な刺激20種類を与え、15名ほどのデータ収集を終えた。
理由 2.収集した脳波データを各種刺激付与時と何の刺激も与えない時の耳朶と頭部前額の二点間の脳波を収集し、フーリエ変換して、各周波数ごとに分離し、α波、β波、γ波、θ波などの信号を得た。また、lowα波、lowβ波、 highα波, highβ波等数多くのデータを同時に計算、分離しデータ量を増やし80%以上の確率で判別できる刺激から判別が難しい刺激など様々な刺激があることが分かった。 よって、研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
健常ボランティアを募り様々な刺激を与えたときの脳波と何も刺激を与えていない時の脳波を取得し、ニューラルネットワークコンソールを用い、どのようにすれば判別性能の向上させられるかを探っていく。脳波にはα、β、γ、 θなど様々なものがあり、さらに、α/β/の値や、α、β、γ、 θのデータをグラフ化し、そのグラフをディ-プラーニングで解析させる方法、あるいはα、β、γ、 θのデータの三次元画像化したグラフを用いて、そのグラフをディ-プラーニングで解析させる方法など最も良いと思われる解析法を探し出し、様々な刺激付与時とデフォルト時の脳波の波を判別する方法を調査する。良い結果が得られた場合、様々な刺激を与えたときの脳波を取得し、ニューラルネットワークコンソールを用い、どのような刺激を与えたときの脳波であるかを判定させることを行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
ヨーロッパ腹部放射線学会で演題の発表を予定していたが、新型コロナウイルスの世界的流行により、学会が年度末ぎりぎりに中止となり、払い込みできず残額となった。
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