研究課題
本研究は,複数のウェアラブルデバイスを用いた行動分析を行うことによって,指導者の付添いがなくても質の高い看護が可能になる遠隔指導システムの構築を目的とする.看護実践では患者に共感しながら傾聴するコミュニケーションが重要であるが,現場では多様な状況・姿勢があり,手の動きなど,非言語の小さな動作が患者に影響することもある.そのため,演習現場で複数学習者の行動を指導者が離れた地点から確認するのは困難で,さらに指示を伝えることもできなかった.本研究では,各種ウェアラブルデバイスを用い,学習者の多角的なデータ収集で行動を分析した.期間前半は,看護業務の一種である体位変換と車椅子移乗時を例に,実際に看護学科学生を被験者として,身体の各部位にセンサーを装着して動きを収集し,特徴抽出を行った.その結果,腕の動きに手際良さの違いが出ており,また下半身の使い方,声がけ中の動き等,各所でスキルの高い被験者とそうでない被験者の違いが判明した.期間後半は,医師や看護師に必要なスキルの1つである聴診に関して,センサーを用いたデータ収集と得られたデータの特徴抽出を行った.また,コロナ禍で実験をリモート実施するための環境を構築した.その際に,データは匿名化されたセンサーデータだけをインターネット経由で伝送し,またそのファイル送信には暗号化された通信を使用するようにした.その結果,個々の聴診の間隔,力の安定度,加減圧速度などに特徴が現れることがわかった.以上の成果から,行動の特徴から習熟度を判断し,映像と共に遠隔指導者に伝達することで,複数学習者の行動を同時に把握しやすくするシステムの実現可能性が明らかになった.
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