実地指導者を支援する教育担当者を対象とした教育プログラム立案モデルの開発

2018 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 18K10210
• 研究機関: 目白大学
• 研究代表者: 辰島 美佐江 目白大学, 看護学部, 教授 (30456462)
• 研究期間 (年度): 2018-04-01 – 2023-03-31
• キーワード: 新人看護師指導 / 実地指導者 / 教育担当者

研究実績の概要

厚生労働省は「新人看護職員研修ガイドライン」の中に、新人看護師を指導する実地指導者を支援する教育担当者という役割を明記した。しかし、教育担当者は、自己の役割を理解できないままその役割を担っており、実地指導者を効果的に支援できず、多様な困難に直面している。本研究は、教育担当者が役割遂行に必要な活動を客観的に理解することに貢献するため、「実地指導者を支援する教育担当者を対象とした教育プログラム立案モデル」開発の第Ⅰ期に位置づく。根拠に基づいた教育プログラムを立案するために、まず、モデルの基盤となる「教育担当者の役割を果たすために必要な活動」を解明する。そこで、2018年度の研究実施計画として、教育担当者に関する現状を体系的に明らかにするため、「教育担当者に関する先行研究分析」に取り組んだ。2018年度の研究計画に基づき実施した研究の成果は、次の通りである。
１）教育担当者に関する先行研究を広範囲に徹底的に収集した。
２）１）において収集した先行研究の内容を精読し、看護教育学における先行研究分析（舟島,2010）の手順に基づき作成した分析フォームに入力し、データ化した。
2018年度は、１）と２）までの研究の成果を得られた。本研究対象である「教育担当者」は、2011年に公表された新人看護職員研修ガイドラインの中に初めて明記された役割である。そのため、「教育担当者」を対象とした研究はまだ少なく、この研究成果は、教育担当者の現状を体系的に把握することに貢献する。

現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

精度の高い先行研究の分析結果を得るため、再度、先行研究の内容を精読し、正確に研究内容を理解することに時間がかかり、先行研究の分析を終えられていないため。

今後の研究の推進方策

2019年度は、教育担当者の関する現状を体系的に明らかにするため、教育担当者に関する先行研究の分析を継続する。具体的には、2018年度にデータ化した項目のうち、研究内容についてはベレルソンの内容分析を用いて分析する。それ以外の定性的データは、単純集計し、百分率を算出する。
2019年度から2020年度は、教育担当者を対象として質問紙調査と面接調査を並行して実施し、教育担当者として実施している活動を解明する。
2021年度は、実地指導者を対象として質問紙調査を実施し、実地指導者が要望する教育担当者からの支援を解明する。
2022年度は、2020年度に解明する「教育担当者として実施している活動」と2021年度に解明する「実地指導者が要望する教育担当者からの支援」を照合し、教育担当者の役割を果たすために必要な活動を解明する。

次年度使用額が生じた理由

今年度の研究計画が遅れており、次年度に残りの研究計画を実施するために使用する計画である。