研究課題/領域番号 |
18K10215
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
原田 静香 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (10320714)
|
研究分担者 |
仲里 良子 順天堂大学, 医療看護学部, 助教 (50814571)
櫻井 しのぶ 順天堂大学, 医療看護学部, 教授 (60225844)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 保健師基礎教育 / 地域診断 / ディープラーニング / ICEモデル |
研究実績の概要 |
学生がアクティブラーニング等による学習を経験するだけに終わらず、学習課題に対して「深い学び」を得ることが重要であると考える。しかし、「深い学び(以下、DLとする)」を得たかどうかの質的な評価はを教員と学生双方で行うことは、時間がかかる等の障壁がある。そのため、学生が自分自身で「どのような学びが出来たか、DLであったか」を評価できる標準化された尺度が必要ではないかと考えた。そこで本研究の目的は、学生がDLへと達成するために必要な学びの質を自己評価する際に活用できる測定尺度『DL到達評価尺度』を開発することである。 今回、DL到達評価尺度を開発するにあたっては、保健師基礎教育において必須である「地域診断」に関する学習場面を用いた。 尺度の構成概念となる因子を抽出するために、「地域診断」の講義を受講した対象者13名に対し、半構成的インタビュー調査を実施した。インタビュー内容は逐語録とし、質的帰納的に分析を行っている。 対象者の学習経験と学びのプロセスからは、231のコードが抽出され、最終的に4つのコアカテゴリと15のカテゴリが得られた。以下、コアカテゴリは《 》、カテゴリは< >にて示す。主要な結果としては、《学びが構造化する》では<地域診断の意義を自分なりに考える><情報収集の手段を得る><気付きをつないでいく><試行錯誤して内容を煮詰める><教室外の状況へ適応して考える>で構成されていた。《気づきが生じる刺激を受ける》では<気づきへ導かれる><グループ活動に影響される><疑似経験により気づく>であった。《学習への新たな感情が生まれる》では<出来不出来により充実感に差がうまれる><効力感を得る><日常の行動が変容する>等であった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成30年度、当初の予定であった尺度構成に向けた構成概念の抽出のための調査、文献検討を行うことが出来た。しかし、信頼性妥当性の検証のための量的調査までは実施することが出来なかったため、上記の区分としている。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は平成30年度に尺度の構成概念の抽出に関する論文化を行う。そして尺度化に向けて信頼性妥当性の検証を行っていく。その過程でICEモデルの開発者であるカナダQueens大学のスー・F・ヤング博士との研究会を実施することを目的に、海外研修を行う準備をしている。 同時に研究会等にて尺度の完成を行うことを目指す。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初、量的調査の実施のために予定していたPC等の購入を延期としていたため、繰越金が発生していた。次年度はカナダでの研究会を予定しているため、その予算として計上したい。
|