研究課題/領域番号 |
18K10216
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研究機関 | 東京医療保健大学 |
研究代表者 |
横山 美樹 東京医療保健大学, 医療保健学部, 教授 (70230670)
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研究分担者 |
野崎 真奈美 順天堂大学, 医療看護学部, 教授 (70276658)
菱田 一恵 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (00326117)
西村 礼子 東京医療保健大学, 医療保健学部, 准教授 (10757751)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 訪問看護師 / フィジカルアセスメント能力 / 臨床判断能力 |
研究実績の概要 |
本研究目的は、訪問看護師に必要なフィジカルアセスメント能力を明らかにし、新卒でも訪問看護師に必要な基礎的な知識、技術を獲得するための、看護基礎教育におけるフィジカルアセスメント、臨床判断に関する教育内容・方法を検討することである。 研究の第2段階である、訪問看護経験5年目以上でアセスメント能力が高いと推薦された看護師対象へのインタビュー調査に着手し、昨年度計13名の訪問看護師対象のインタビュー調査を終えた。インタビューの生データをもとに内容分析を行い、以下の結果を得た。 訪問看護で気を付けていることは「患者像をイメージし初回訪問で掘り下げ実情に寄せる」「対象の状態を幅広く予測し多角的にとらえる」「1回1回の訪問をチームでつなげる」「対象者のお宅にお邪魔するという意識」の4カテゴリー、フィジカルアセスメントの手順は「直観的に全体像をみる」「基本的生活動作から確認する」「対象の状態にあった順序で掘り下げる」「生命の危機を予測しながらhead to toeの順に全身をチェックする」「状態に合わせ系統別に焦点をあててアセスメントする」「身体に触れながら看護の視点でアセスメントする」「生活につなげたアセスメントをする」の7カテゴリー、訪問看護師に求められるフィジカルアセスメント能力は「フィジカルアセスメントを正確に実施し臨床推論で対象の状態、緊急性を判断する力」「対象者の生活状況をアセスメントし異常に気付く力」「今の状態のアセスメントと今後の予測に関するアセスメント能力」「コミュニケーション能力」の4カテゴリー、必要な教育内容は「バイタルサイン、フィジカルアセスメントで正常、異常の判別ができる教育」「アセスメント結果から看護診断し今後の生活をみすえた介入ができるための教育」「生活の理解ができる教育」「多職種理解ができる教育」「組織の中で働くための基本知識」の5カテゴリーが抽出された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、教育業務のICT化と学生の感染による出席停止に対しての教育保障の必要性等により、研究者らの教育業務の負担が増加し、研究遂行にかけられる時間が減少していることから、2年程度の計画の遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
上記研究結果を看護科学学会学術集会で発表するため演題申し込みをしている。さらに学術雑誌への投稿を今年度中に行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い2年程度研究遂行に遅れが生じているため。令和5年度は、山口県で開催される第43回日本看護科学学会学術集会での成果発表に伴う出張費、ならびに追加データ収集に必要な機器の購入等を予定している。
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