研究課題/領域番号 |
18K10217
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研究機関 | 東京医療保健大学 |
研究代表者 |
伊東 美奈子 東京医療保健大学, 医療保健学部, 講師 (00550708)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 看護師 / 既卒採用 / 組織社会化 |
研究実績の概要 |
先行研究では、既卒看護師の採用年度内の離職率は、新卒看護師のそれに比べて高いことが示されており、転職等で職場を替えた既卒看護師の組織への適応が課題となっている。そこで本研究の目的は、病院における既卒採用看護師の組織社会化促進要因を明らかにすることである。 30年度は、量的調査を行う際の枠組みを作成するために、文献レビューを行った。 国内外の先行研究をレビューした結果、特に日本における組織社会化研究の多くは、経営学領域で、企業の新卒社員を対象として行われているものが多く、組織社会化促進要因の特定に関する研究が比較的進んでいた。一方、既卒社員の組織社会化研究については、雇用の流動化に伴い、近年問題意識が高まりつつあるものの、発展の余地があると考えられた。 看護分野における組織社会化研究は、国外では新卒看護師・既卒看護師を分けず「新採用の看護師」としてまとめて扱われる場合が多く、既卒看護師の組織社会化の特異性に焦点をあてた研究は見当たらなかった。国内においては、新卒看護師の組織社会化促進要因に関する実証研究が散見されたが、既卒看護師を対象とした組織社会化研究は質的研究にとどまっているのが現状で、組織社会化の促進要因の特定、それが新卒看護師の促進要因とは異なるのかは、立証に至っていないと考えられた。 文献レビューの結果をもとに、組織社会化の先行要因、成果を含んだ「組織社会化統合モデル(仮)」を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画にそっておおむね進展しているため。
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今後の研究の推進方策 |
既存の組織社会化研究の多くは、企業の新卒社員を対象としている。利潤を追究する企業体で得られた結果が、疾病の診療を目的とする病院、そこでケアを提供する看護師にそのまま当てはまるかどうかは検討する必要がある。 次年度は、研究実施計画に従い、「組織社会化統合モデル(仮)」が病院に勤務する看護師に適用できるかを検証するために、看護師にインタビューを行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
オープンアクセスの文献が多く、想定より文献入手に費用がかからなかったため。 31年度にインタビュー調査を進める予定で、翌年度分として請求した助成金と合わせ、謝金や業務委託等に使用する予定である。
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