研究課題/領域番号 |
18K10225
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
朝倉 京子 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00360016)
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研究分担者 |
原 ゆかり 東北大学, 医学系研究科, 助手 (20756259)
高田 望 東北大学, 医学系研究科, 助教 (60746840)
杉山 祥子 東北大学, 医学系研究科, 助教 (00836174)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 地域完結型医療 / 地域包括ケア / 看護職 / 専門性 / 教育支援プログラム |
研究実績の概要 |
令和3年度の研究実績は、1.令和2年3月に実施予定だった調査の再延長、2.平成30年度に実施した調査データを用いた論文の公刊である。 1.令和2年3月に実施予定だったが新型コロナウイルス感染症の拡大により延長していた調査を、令和3年度内に実施する想定で準備していた。ところが、令和3年夏にはそれまでに経験したことのない感染者数を出した第5波が全国を襲い、病院に入院できない感染者が地域にあふれる事態となった。このため、本研究の対象地域にある介護施設や訪問看護ステーションは新型コロナウイルス感染症対応に翻弄されることになり、調査を実施すること自体が難しい状況であった。 2.平成30年度に介護施設を対象として実施した調査データを再分析し、介護施設で働く看護職の就職動機を内的、外的な要因に区分し、ワークエンゲイジメントとの関係を実証した。この研究成果を国際誌にて発表した。具体的な成果は以下の通りである。介護施設の看護職の内発的入職動機はワークエンゲイジメントに有意な影響を与えたが、外発的入職動機はワークエンゲイジメントに有意な影響を与えていなかった。外発的入職動機で介護施設に就職する看護職が多いことが明らかになったため、内発的動機付けを高める施策の必要性が示唆された。例えば、内発的動機が高まりにくい理由として、介護施設で働くことをイメージしにくいこと、介護施設で働くことのポジティブなイメージが乏しいことが考えらる。介護施設で働くことのポジティブなイメージや魅力を社会啓発することが重要であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
訪問看護ステーションに勤務する看護職を対象とした大規模質問紙調査を、令和2年2月~3月に実施する予定だったが、新型コロナウイルス感染症のアウトブレイクにより、調査の実施はかなわなかった。令和2年度も感染症の拡大状況が落ち着かず、調査の実施は見合わせた。そのうえで令和3年度も実施を試みたが、想定以上に地域医療をひっ迫に追い込んだ新型コロナウイルス感染の第5波のため、調査の実施は困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症は未だ収束の兆しは見えず、令和4年度も地域医療に影響を与え続ける見込みである。そのため、本研究が実施する調査には新型コロナウイルス感染症の影響を加味した内容を盛り込む必要がある。加えて、開発する教育プログラムの内容にも新興感染症対応を新たに盛り込む必要があるため、令和4年度はこれらの点に留意しつつ研究を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の拡大により、予定通りの調査実施が困難であり、令和4年度に改めて実施する計画であるため
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