研究課題
本研究はこれまでの看護の質評価手法を再考し、新しい看護の質評価を探索することが課題であった。2018-2019年度は、質評価方法に患者経験価値調査(Patient eXperience:以下PX調査)を用いることを決定の上、調査システム開発を行った。さらに開発したWeb版PXサーベイを用い、A病院をフィールドにトライアル調査を開始した。最終年度である2020年度はトライアル調査の分析を行った。2019年度に開始したWeb版PXサーベイのトライアル調査は、A病院の3病棟で開始したものの、新型コロナウイルス感染症流行に伴う業務の見直しの影響を受け、1病棟のみで継続することになった。その結果、5カ月のデータ収集期間に対象病棟を退院した463名のうち130名からデータを収集した。Web版PXサーベイの課題として、高齢者のタブレット操作が困難であること、調査のための職員の負担が大きいこと、調査のタイミングによっては回答できない設問があることが明らかになった。これらの成果は2020年度に学会発表した。続いて、A病院看護部との連携体制を構築し、継続的にPXサーベイを実施できる調査フローを確立した。この際に、学生看護助手が患者のタブレット操作を支援する体制をとった。A病院の1病棟をフィールドとして調査を開始し、最終年度後も継続して調査を実施予定である。最終年度の期間までに集めたデータは、2021年開催の学会に発表予定である。本研究課題では看護の質と看護師の質の関連にも注目し、看護師の質を評価する方法についての検討も併せて行った。看護師の質を評価する尺度(PASN-J)を作成した。PXサーベイと看護師の質評価を合わせて実施する方法の確立が今後の課題である。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)
International Nursing Review
巻: in press ページ: in press
10.1111/inr.12627