研究課題/領域番号 |
18K10230
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
前田 留美 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 特任講師 (60341971)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 看護継続教育 / シミュレーション教育 |
研究実績の概要 |
今年度は基礎調査として、看護継続教育におけるシミュレーション教育の動向について文献検討を行った。日本国内で2013年-2018年に発表された原著論文で、臨床看護師を対象とした論文172件を対象とした。 最も多く実施されていたのは急変時対応、次いで災害時訓練であり、看護職が主導する多職種連携シミュレーションも開催されていた。これらのシミュレーション教育は、施設特性を踏まえた急変時・災害時対応を検討・確認することを目的として実施されており、施設の特異性を踏まえたものが求められており、独自に作成する必要があることが分かった。 一方で教育の評価指標も施設独自のものが作成・利用されており、縦断的に効果測定が行われた研究は見当たらなかった。日本語版の標準化された評価指標は見当たらず、エビデンスに基づく教育実践・研究が行われているとは言い難かった。加えて、これらの教育プログラムを作成・実施している看護師を対象とした「教育者育成」を目的とした研修は、都道府県看護協会が実施する研修以外に見当たらず、教育担当者育成の現況は明らかにならなかった。 同時に全米看護連盟(NLN)の臨床看護教育者コア・コンピテンシーを入手し、その分析を進めている。 以上を踏まえて、次年度は継続教育におけるシミュレーション教育と、教育者育成の実態調査を行う予定であり、NLNのコア・コンピテンシーと照らし合わせて日本の臨床看護教育者育成プログラムの内容を検討する予定である。今年度の実績は、2019年8月に開催される第29回日本看護学教育学会に於いて発表予定であり、論文投稿準備を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画では実態調査を第1フェーズとし、第2フェーズでコア・コンピテンシーの分析を行う予定であった。しかし文献検討を行っているうちに臨床看護教育が取り扱う範囲が広範であるため、計画を修正し、一旦文献検討はシミュレーション教育に限定して行う事にした。同時に、コア・コンピテンシーの検討は第1フェーズの終了を待たずして実施できると判断したため、第1フェーズと第2フェーズを同時並行で実施することにした。 このため、次年度はコア・コンピテンシーの分析を継続すると同時に実態調査を行う準備を行う事とし、当初計画と比較して概ね順調に伸展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は臨床看護教育者の学習ニーズと教育責任者から受けている支援について、文献検討とコア・コンピテンシーの分析を踏まえて調査票を作成し、当初計画通り実態調査を実施し、結果を踏まえて教育プログラムの作成・実施・評価を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた実態調査を次年度に変更したため、次年度使用額が生じた。今年度実態調査を実施予定であり、その印刷費・入力費等に充当予定である。
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