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2018 年度 実施状況報告書

看護学生のコミュニケーションにおける共感性と共鳴性との関係

研究課題

研究課題/領域番号 18K10231
研究機関福井大学

研究代表者

上野 栄一  福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (60262507)

研究分担者 西村 高宏  福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (00423161)
高倉 恭子  富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (50324083)
山本 恭子  園田学園女子大学, 人間健康学部, 教授 (90254474)
藤本 ひとみ  福井医療短期大学, 医歯学系, 教授 (90446154)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード共感性 / 共鳴性 / コミュニケーション / 自律神経 / 脳波 / 感情テスト
研究実績の概要

本研究では、2018年~2020年の3年間で、看護学生を対象に話し手と聞き手のコミュニケーションを評価し、共感性と共鳴性との関係についてについて明らかにすることである。本研究では、話し手と聞き手との間で起こっている相互作用について共鳴性の観点から、会話分析、POMS(感情調査)、心拍数、自律神経、脳波測定によりその特徴を明らかにすることを目的としている。自律神経測定は、心拍変動リアルタイム解析プログラムMemCalc/Bonaly Lightを用い、脳波の測定には[ブレインプロライトFM-828T、パルラックスライトPUL-LT、センサーバンドSEB-B]を用いた。
2018年度は、両者の会話分析、コミュニケーション能力と共感性との関係について調査、会話時の自律神経系について測定してきた。現時点での対象者は、目標値の約過半数の結果を集積することができている。調査用紙によるデータ(PONS,)解析により、会話分析では、お互いに相手の意見を受容することにより、質問する側より答える側の人の会話がより進む傾向にあった。コミュニケーション能力(看護学生の看護学生の段階別コミュニケーション能力評価)と共感性(多次元共感性)との間には相関のあることが示された。POMS(感情テスト)では、会話後の方が会話前に比較して、T-A(Tension-Anxiety)、D:(Depression-Dejection)、A-H:怒り~敵意(Anger-Hostility)、F:疲労(Fatigue)、C:混乱(Confusion)のそれぞれに有意差を認めた。V活気(Vigor)には有意差はなかった。
自律神経系(LF,KF,LF/HF)のWavelet Coherenceによる解析結果も進めており両者間有意な領域があることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本研究では、話し手と聞き手との間で起こっている相互作用について共鳴性の観点から、会話分析、POMS(感情調査)、心拍数、自律神経、脳波測定によりその特徴を明らかにすることを評価項目としてしている。2018年度は、対象者の過半数以上に調査協力をお願いでき、データの集積、解析を進めることができた。自律神経測定は、心拍変動リアルタイム解析プログラムMemCalc/Bonaly Lightを用い、脳波の測定には[ブレインプロライトFM-828T、パルラックスライトPUL-LT、センサーバンドSEB-B]を用いて測定をしデータ集積について予定以上に過半数以上にデータを集積することができた。データ解析も順調に進めてられており、共感性と共鳴性に関わる調査では、両者に相関のあることが明らかとなっている。また、調査用紙によるコミュニケーションと共感性に関するデータの収集、解析は、予定以上に進んでいるところである。会話分析について、両者の会話内容はすべてスクリプト表記にしており、テキストマイニングによる解析を進めてきた。
調査紙による解析は現時点で会話前後の感情(POMS)変化の解析でも有意差を示す結果が出ている。
客観的評価となる自律神経(HR,LF,HF,LF/HF)及び脳波の解析(β、α1、α2、α3、θ波)も現在進めている。また、自律神経系(LF,KF,LF/HF)のWavelet Coherenceによる解析結果も進めており両者間有意な領域があることが示された。対象となる施設も決まっており、今後も継続したデータ収集と解析を進めることができる。

今後の研究の推進方策

本研究での現在の対象者は過半数以上をえられており、本年度中にはすべてデータ取得はすべて完了する予定である。
調査用紙によるコミュニケーションと共感性に関するデータ解析は順調に進んでおり、自律神経の解析も現在進めている。今後は、会話時における両者の会話時の脳波と自律神経の関係性について、共感性と共鳴性の観点から解析を進めデータの解析結果を進めるとともにさらに会話分析や解析をし検証していく。
今後は引き続き、1)話し手と聞き手のコミュニケーションの特徴の解析、2)コミュニケーション能力(積極的傾聴、アサーション、音響学的配慮、係わり、人間尊重、観察、感情コントロール、フォーカシング、言語化)と共感性(被影響性、他者指向的反応、想像性、視点取得、自己指向的反応)の関係性、3)共鳴性と共感性の検証、自律神経系(HR,LF,HF,LF/HF)、脳波(β、α1、α2、α3、θ波)の測定による2者間の会話時の共鳴性の検証をさらに引き続き検証する。この共鳴性を明らかにすることにより共感性がどのように起こるかが明らかとなり患者との信頼関係を得るための基礎資料となると考えている。
また、研究成果の公表は、2020年の看護系学会に発表する方向で進めている。

次年度使用額が生じた理由

2018年度では、謝金や打ち合わせ(メールでの連絡を実施した)に経費はかからなたかったため、次年度使用額が生じた。本経費は、2019年度に調査費用に充てる予定である。

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公開日: 2019-12-27  

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