研究課題/領域番号 |
18K10232
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
内海 桃絵 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (40585973)
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研究分担者 |
内藤 知佐子 京都大学, 医学研究科, 研究員 (10405053)
谷口 初美 福岡女学院看護大学, 看護学部, 教授 (30295034)
任 和子 京都大学, 医学研究科, 教授 (40243084)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | シミュレーション / ファシリテータ / ファシリテーションスキル / 成長過程 / プログラム開発 |
研究実績の概要 |
2020年に実施したインタビューの分析から、看護シミュレーション教育におけるファシリテーターの成長のプロセスを明らかにした。研究対象者は12名で、看護師平均経験年数は25±10年、ファシリテーター平均経験年数は8±4年であった。データ分析の結果30のテーマから9のサブカテゴリー、4のカテゴリーが得られた。4つのカテゴリーは、【仲間との実践と振り返り】【自分らしいファシリテーター役割の実践】【自律的なシミュレーション教育拡充に向けた取り組み】【ファシリテーター役割の内面化と応用】であった。対象者は、機会を逃さずに実践を繰り返し、指導者から継続的な支援を受け、仲間との内省を行っていた。それにより、ファシリテーター役割を概念化し、さらにファシリテーションスキルを日常看護業務における新人看護師指導に役立てるなど応用もしていた。ファシリテーター支援には、基本的なスキルを教授するととともに、継続的なメンターとの関わりやお互いに支えあえるコミュニティーの形成が必要であることが示唆された。 また、シミュレーション教育では多様なデブリーフィング(振り返り)の手法が開発されているが、ファシリテーターらが経験を積む中で、どのようなスキルを獲得しながらデブリーフィングを進めているのかについては明らかになっていないため、獲得している具体的なスキルをインタビュー内容から記述した。その結果、対象者らは、デブリーフィング場面において、学習者の体験を 意味づけ学びにつなげることをゴールとし、場づくりのスキル、対話と 学びを促進するスキル、構成するスキルを活用していた。これらのスキルの習得できるファシリテーター育成プログラムを構築することで、ファシリテーターのデブリーフィング力を高めることが期待される。
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