本研究の主な目的は皮膚バリア機能と知覚閾値との関係を明らかにすることである。皮膚のバリア機能は経表皮水分蒸散量(TEWL)を指標に、知覚閾値は電流知覚閾値(CPT)と痛み閾値(PT)を測定して評価した。TEWLは2%ラウリル硫酸ナトリウム溶液を前腕部手掌側に用いることによって意図的に変化させた。その結果、TEWLが高値になるにつれて、CPTとPTは低下した。また、TEWLとCPTあるいはPTはそれぞれ有意な負の相関を示した。これらのことから皮膚バリア機能が低下すると知覚過敏が起こることが明らかとなった。
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