研究課題/領域番号 |
18K10239
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
佐藤 みほ 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (30588398)
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研究分担者 |
宮川 祥子 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 准教授 (00338203)
藤村 朗子 東京医療保健大学, 看護学部, 准教授 (80438853)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 看護学教育 / デジタルファブリケーション / 解剖模型 / 3Dプリンタ / 人体の構造と機能 |
研究実績の概要 |
解剖学の基礎的な知識と看護実践との統合を経験する機会の不足から、看護学生が解剖学知識を臨床場面で活用できていない現状にある。よって本研究では、看護学生の解剖学の基礎的知識に基づく実践的知識の形成と定着を目指し、解剖学知識を看護臨床場面で活用する力を培うことを目的とした学習支援システムを開発し、有用性と導入可能性を検証することを目的とした。 本年度は看護学において実用性・実効性の高い解剖学・生理学の教授手法検討のための基礎資料に資するべく、日本の看護系大学における「人体の構造と機能」に類する科目の教授方法の実際と当該科目教授における工夫や困難を明らかにすることを目的として、日本看護系大学協議会の会員校を対象とした無記名自記式インターネット調査を実施した。 調査より「人体の構造と機能」を教授する上での困難感は「十分な授業時間の確保が難しい」「臨床事例との関連付けが難しい」などの4種類に大別された。また教授における工夫は「看護技術・看護ケアに関連させて知識を説明する」、「解剖学的観点から日常生活動作を観察する」などの5種類に大別された。本結果は2021年度開催のInternational Association for Medical Education Annual Conferenceにて報告が予定されている。 また看護系大学生の視点からも、いかなる解剖学・生理学の教授方法を求めているのか、教授される解剖学・生理学と看護学との関連付けが体系的にできているのか、看護学と解剖学・生理学の知識を統合し、看護実践に活用する上で感じる困難や求める学習上の支援について明らかにする必要があると考え、半構造化面接調査に向けて対象者の選定を実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究にて予定している看護系大学の「人体の構造と機能」を担当する教員への質問紙調査を実施することはできたが、COVID19の影響に鑑み、看護大学生を対象とした半構造化面接調査の実施について具体的な方策を検討していることから調査の進捗に遅れが見られている。また、学習支援システム構築に向けた事例検討についても看護師らによるアドバイス提供を受けることが極めて難しい状況から予定通りに研究計画を進展することができずにいる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は予定している看護系大学生を対象とした、解剖学・生理学の学習に対して感じている困難や求めている教授方法、学習上の支援等を把握すべく半構造化面接調査をオンラインツールを活用して実施する。また、学習支援システムの構築に向けて、病院に勤務する看護師らと連携し、オンラインツールを活用しながら引き続き検討を重ねていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
予算を有効かつ効率的に使用したことに伴い、未使用額が発生した。また、今年度実施予定であった半構造化面接調査を次年度に予定しているため、未使用額については半構造化面接調査実施費用として計上する予定である。
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