研究課題/領域番号 |
18K10243
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
相原 ひろみ 大阪府立大学, 看護学研究科, 准教授 (10342354)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 看護倫理 / 看護教育 / 看護実践 / 看護学生 / プログラム開発 |
研究実績の概要 |
2018年度は、①本尺度「看護大学生の看護実践における倫理的行動評価尺度」を用いて、看護実践における倫理的行動と関連要因の検討を行った。共分散構造分析の結果、適合度は、GFI=0.963、AGFI=0.927、CFI=0.959、AIC=73.524、RMSEA=0.069であった。[日常生活経験]から[道徳的感受性]へのパス係数は0.62、決定係数は0.38、[道徳的感受性]から[倫理的行動]へのパス係数は0.61、決定係数は0.38であった。日常生活経験が道徳的感受性に影響があり、道徳的感受性から倫理的行動に影響があることが明らかになった。 2019年度は、本尺度を用いて、A大学において、リフレクティブサイクルによるデブリーフィングを取り入れた教育プログラムの開発を行った。基礎看護学実習を1回終えた段階の2年次生の学生に対し、授業の前に、本尺度を用いて倫理的行動の状況をデータ収集した。本プログラムは、看護実践において看護学生の倫理的行動につながるアクションプランを視野に入れたもので、学生が主体的に臨床推論から分析、評価・判断のうえで、アクションプランまでつながるサイクルの構築を目指すものである。10月の授業によって教育プログラムによる授業の実施を行った。2020年2月に実習後の倫理的行動の変化をとらえるために本尺度を用いた質問紙を配布し、3月に回収の予定であったが、新型コロナウイルスの影響で実習が途中で中止となったため、2回目のデータ収集は困難となった。 2020年は、予定では2020年10月に3回目の実習が開始になる際にデータを収集する予定であるが、さらに2021年2月に追加の横断的データ収集として2年次生に、追加のデータを収集することで、プログラム実施後の倫理的行動の変容をとらえることを予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2回目のデータ収集を2020年2月~3月に実施予定だったが、新型コロナウイルスの影響のため、看護学実習が中止になった。そのため、データ収集が困難となった。このプログラム実施後の実習での倫理的実践についてのデータ収集を補完的に実施するため、横断的データになるが、次年度2020年10月と2021年2~3月にデータ収集を追加で行うこととした。そのほかは、順調に推移している。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度の基礎看護学実習がコロナウイルスの影響により中止となってデータ収集が実施できなかった。これを補完するために、2020年度に、再度2年次生に教育プログラムを実施(2020年10月)し、看護学生の倫理的行動の変容について2021年2月~3月に行われる予定の基礎実習での学生の倫理的行動のデータ収集を行い、本プログラムの効果について横断的に検証する。なお、2019年度に教育プロググラムを実施した学生が3年生になった際の倫理的行動についてのデータを、2020年10月と1月にデータ収集を行う。これを2019年10月のデータと比較し教育プログラムの有効性について検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響により、2回目のデータ収集の回収が困難となった。そのため、2021年2月に再度、横断的データになるがデータ収集を行う際の郵送費として使用する。
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