研究課題/領域番号 |
18K10255
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
原 三紀子 東邦大学, 看護学部, 教授 (90291864)
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研究分担者 |
小長谷 百絵 上智大学, 総合人間科学部, 教授 (10269293)
齋藤 登 獨協医科大学, 医学部, 教授 (10225724)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 聴く / self-awareness / 神経難病 / 看護師 / 教育プログラム / 看護継続教育 / 心のケア / コミュニケーション |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、神経難病看護師の“聴く基盤”を強化するための教育プログラムを構築することである。研究者らは、神経難病看護にあたる看護師の「聴く」力を向上させるため、聴き手のself-awarenessを促し、自分の聴き方の枠組みに気づくことが重要であると考え、教育プログラムの試案を検討した。self-awarenessには、「自己認識」「自己発見」「自分自身を知ること」「内省」といった意味があり、看護の分野でもself-awarenessは、コミュニケーションを円滑にし、患者・看護師関係を構築するために重要であると考えられている。聴き手としてのself-awarenessを促進させるためには、自分自身で気づく、セルフモニタリングの側面と、他者からの効果的なフィードバックを受けることが必要であると考える。そのため、他者へフィードバックする力を強化することを通し、聴き手としてのself-awarenessを高めることにつなげたいと考えた。コミュニケーションスキルの一つである「フィードバック」は、もともと、誤差をなくしシステム全体の調節を図ることを目的とした人間工学の分野などで応用されてきたが、教育の分野では、成長を促す教育の方法の一つとしても扱われている。そこで、看護系学会学術、難病相談支援事業に従事する看護師・保健師を対象としたセミナーで、「フィードバック」に焦点をあてた学習の機会を設けた。self-awarenessを促す効果的なフィードバックを行うためには、フォードバックの特徴やフィードバックの方法(手技、タイミング)など学習のねらいとする範疇を明確にして、具体的に提示する必要性を再確認した。また、ワークでフィードバックを受ける体験は、自身のself-awarenessを高めることにもつながる経験となっていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
C0VID-19の感染拡大に伴い、教育プログラムを構築するために行う、研修会(教育セミナー)の開始時期の設定ができず、当初の研究計画通りに、研修会(教育セミナー)を遂行することが困難となった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、これまで検討してきた教育プログラムをもとに、研修会(教育セミナー)を開催し、得られたデータから教育評価を行っていく必要がある。そのため、COVID-19の拡大に伴い、集合教育で行う研修会(教育セミナー)を計画通りに進めることが困難であると予測された場合は、研修会の方法をオンライン化するなどの再検討する必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
英文校閲に充てていた予算は、校閲に出せなかったため次年度に繰り越す予定である。また、COVID-19の影響により研修会開催の予定が変更となったため研修会運営費についても繰り越しとした。2020年度は、研修会運営費、学会報告費、成果報告書、会議運営費などに予算を使用する予定である。
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