研究課題/領域番号 |
18K10257
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
山本 貴子 東京工科大学, 医療保健学部, 助手 (80784412)
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研究分担者 |
鈴木 英子 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 教授 (20299879)
川村 晴美 昭和大学, 保健医療学部, 兼任講師 (60769868)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | アサーティブ / バーンアウト / プリセプター / 尺度 |
研究実績の概要 |
研究の目的:病院に勤めるプリセプターのアサーティブネスを具体的に測定するためにロジャースの概念分析により、アサーティブネスの定義を明確にし構成要素を検討した。1)分析する概念の決定、2)属性:概念の性質を示す、3)先行要件:その概念に先立って生じる出来事や例、4)帰結:概念が発生した結果として生じる出来事。この概念分析と先行研究のプリセプターが新卒看護師にアサーティブになれない状況(鈴木ら,2014)の調査結果から調査票を作成する。 研究実績の概要 ☆平成30年度:プリセプターの新卒看護師に対するアサーティブネスの尺度の開発 1、プリセプターが新卒看護師に対するアサーティブネスの調査票を作成する。 ロジャースの概念分析により、プリセプターの新卒看護に対するアサーティブネスの定義を明確にし、構成要素を検討した。 1)分析する概念の決定、2)属性:概念の性質を示す、3)先行要件:その概念に先立って生じる出来事や例、4)帰結:概念が発生した結果として生じる出来事。この概念分析と先行研究のプリセプターが新卒看護師に対してアサーティブになれない状況(鈴木ら,2014)の調査結果から、8つのカテゴリーに分類し、4つの尺度の下位概念を検討している。現在、全員が看護師免許有し、臨床経験3年以上の看護管理政策学を専攻している大学院生32名と4回のプレテストを行った。質問紙は全30項目で1点から6点の6件法のリッカートを用いて30点から180点で尺度を構成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は今年度中に尺度開発のための調査をする予定であった。実地指導者が新卒看護師に対してアサーティブになれない状況から8カテゴリーに分類した。しかし質問紙の内容の妥当性を検討するために時間を要しているため調査が出来ておらず、尺度が完成していない。質問項目は以下の8カテゴリーに分類し、妥当性と構成内容を検討している。 1.業務(業務を最後まで遂行できない、業務を適切に遂行できない、大変な業務を避けようとする、時間を適切にコントロールできない、業務上のミス、依頼業務を適切に遂行できないで人のミスにする、患者の希望を無視)2.言葉づかい(敬語を使えない、不適切な言葉づかい)3.学習課題の提出(レポートを提出しない、レポートの提出が遅い、不適切なレポート内容)4.業務の依頼(依頼相手に配慮が出来ない、時間を調整せずに他者に業務依頼する、時間が十分あるのに業務を依頼する、休日にミスのフォローの依頼をする)5.仕事に対する姿勢(事前学習や復習せずに仕事につく、仕事に対する理解不足、ミスの後の態度、コミュニケーション不足)6.態度(指導に対して不愉快な表情、別の先輩と指導方法が違うとのクレーム、度重なる指導にも関わらず知らないという7.遅刻(仕事ぎりぎりに出勤、遅刻を注意しても反省が見られない)8.私語(仕事中の私語)であった。
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今後の研究の推進方策 |
1.質問紙を完成し、プリセプターの職場におけるアサーティブネス測定尺度の信頼性と妥当性の検証1)調査依頼先:関東圏の400床以上の病院において調査対象数300名になるまで依頼を続ける。調査対象:協力の得られた病院のプリセプター約300名。調査方法:質問紙調査(テスト‐再テスト法含むため2回)。テスト‐再テストの質問紙の照合には母親の誕生日(月日)の記入を依頼し用いる予定。 2)調査内容【テスト調査】:1回目①対象者の特性:年齢、生年月日、婚姻歴、資格、免許取得後年数、所属部署など②今回開発するプリセプターの職場でのアサーティブネス20項目程度。③基準関連妥当性を明らかにするためNNSAS。【再テスト調査】:2回目は1回目の調査と同じ内容で2~4週間後に2回目の調査を行う。①対象者の特性:年齢、生年月日等 ②開発したプリセプターの職場でのアサーティブネス 3)分析 ①対象者の属性の分析:プリセプターの職場でのアサーティブネス得点を算出し、調査対象者の集団の特性を記述統計により明らかにする。②信頼性の検証:1回目のテスト結果を折半法とCronbachのα係数にて確認する。テスト-再テスト法により1回目・2回目の相関係数を算出する。③妥当性の検証:プリセプターの職場でのアサーティブネスの探索的因子分析(SPSS)及び確証的因子分析(Amos)を行う。基準関連妥当性を確認するため、NNSAとの相関をみる。④分析結果をもとに尺度の修正。 2.プリセプターの職場でのアサーティブネスとバーンアウトの関連を検討するため、バーンアウトを目的変数とし、プリセプターの職場でのアサーティブネス及び属性、職場環境を説明変数とし、重回帰分析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成30年度はプリセプターが新卒看護師に対するアサーティブネスの概念分析のために時間を要した。また質問紙調査の質問項目の検討に時間を要した。表現方法が単純で直截(率直)的、目的の母集団の読解レベルに適切な表現にする、口語表現、年齢による熟柿度が異なる表現は避ける、抽象度をあげる(誰にでも当てはまる、誰にでも当てはまらない項目は避ける)、複雑・両義的(2つ以上の特徴を表現している)項目は避けるなど 質問紙の内容を検討した。調査ができていないため調査目的の質問用紙の封筒代金、印刷代金、宛名ラベル代金、段ボール代金、郵送代金など当該助成金を使用できていない。また調査結果をもとに論文発表などを行う目的であったが、調査に至らなかったため論文発表の助成金を使用していない。 翌年度は質問紙の完成、調査、尺度開発の過程の論文発表に助成金を使用する予定である。具体的には質問紙の印刷、データ入力、解析ソフトの購入、尺度開発過程の論文発表の旅費に使用する目的である。
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