研究課題/領域番号 |
18K10265
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研究機関 | 日本赤十字九州国際看護大学 |
研究代表者 |
小手川 良江 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 講師 (90341544)
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研究分担者 |
本田 多美枝 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (40352348)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 中堅看護師 / キャリア支援 / レジリエンス |
研究実績の概要 |
平成30年度は文献から中堅看護師のキャリア開発の特徴を明らかにし、中堅看護師へのインタビューから個人のレジリエンスの様相を検討することを目指した。文献検討は、中堅看護師のキャリア開発とレジリエンスについて分析した。その結果、中堅看護師はキャリア発達の停滞が明らかになっておりキャリア支援の重要性が示唆された。 レジリエンスについては、日本におけるレジリエンスの用法は拡大しており、物理学の分野において「反発」に関わる概念であるレジリエンスが、そのイメージの広がりを媒介に、生物学・システム・心理現象にまで拡大させたことが、レジリエンス概念の解釈に混乱をきたしていた。看護師を対象としたレジリエンスの研究についても、レジリエンスを「困難で脅威的な状況にもかかわらず、うまく適応する過程・能力・結果」であると定義されているが、何が困難であるのか、どのように適応したのか、どのような結果が得られたのかというプロセスを捉えた研究は見当たらない状況であった。 以上より、レジリエンスの概念については曖昧な状況であるため、看護師のキャリア発達におけるレジリエンスについて概念分析を行い、本研究におけるレジリエンスの定義を検討した。本研究では、看護師のキャリア発達におけるレジリエンスを「看護師個人の人生や看護師という職業に関連した迷いや困難な状況に対して、個人の能力や周囲の支援を活用し、迷いや困難を乗り越え、その結果もたらされた自己発達の一連のプロセス」であると暫定的に定義し、中堅看護師へのインタビューを行い検討修正する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在、レジリエンスを研究テーマとした研究数は増加しているが、生物学・システム・心理現象にまで拡大させたことが、レジリエンス概念の解釈に混乱をきたしている。そのため、看護師のキャリア発達におけるレジリエンスを定義し、研究を進めることが重要であると考えたため、文献検討の範囲を広げた。文献検討の結果から暫定的に定義を行い、インタビューを実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
現在、インタビューを行うために倫理審査を終えている状況である。インタビューを実施し、個人のレジリエンスの様相を明らかにし、レジリエンスを引き出す要因を明らかにしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
レジリエンスの文献検討に時間を要したため、研究の進行がやや遅れた状況があった。そのため、インタビュー開始が予定していた時期よりも遅れている。現在、倫理審査が終わったため、2019年度にインタビューを実施する。そのため、研究参加者への謝礼やテープ起こしなどの費用は2019年度に使用する予定である。
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