研究課題/領域番号 |
18K10278
|
研究機関 | 公立小松大学 |
研究代表者 |
佐藤 大介 公立小松大学, 保健医療学部, 准教授 (20524573)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 遠隔看護 / がん看護 / 外来化学療法 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は大きく分けて2つあり、1つ目は外来化学療法を受けている患者を対象に看護師が効果的なセルフマネジメント教育を実践し、患者の治療による副作用症状を軽減できる具体策が習得できるよう、インターネットを用いた問診-回答方式による双方向型遠隔看護システム(以下遠隔看護システム)を構築することである。2つ目はランダム化比較試験により症状の増悪予防及びQOL向上を目指し、遠隔看護システムを用いた看護介入を実践・評価し、新規性のある看護支援プログラムの開発である。 平成30年度では、遠隔看護システムの開発をする上で具体的なセルフマネジメント支援内容を検討するために文献検討を実施を実施した。外来化学療法を受けるがん患者は日々の、治療に伴う副作用の有無や血圧、脈拍、酸素飽和度といった生体情報を把握しセルフケア行動に結び付けることが重要である。またがん患者は高齢者が多い現状を踏まえると、作成している遠隔看護システムのデータ聴取方法としては、測定した項目を患者自らが入力するのではなく、Bluetoothを用いて、測定後自動的にクラウドにデータが保存される機能をつけることになった。 また今年3月には所属大学の研究倫理審査を受けて承認を受けた。今後は、遠隔看護システムの完成と、本研究に協力を頂く看護師がインターネットを介して患者の生体情報を扱うことの意義や危険性、遠隔医療の制度、技術など基礎的事項を理解し、支援が実施できるよう研修会を企画してケアの統一性を図る。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度に予定していたPhase:1の研究実施内容の進行状況はおおむね順調に経過している。遠隔看護システムの調査項目の検討以外にも、データ収集方法をBluetoothで聴取したり、テレビ電話の機能を付随するなど、高齢者が多いがん患者への対応方法を検討できた。また情報の通信は閉域網を用いてのネットワーク構築を目指している。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、遠隔看護システムの完成と、本研究に協力を頂く看護師がインターネットを介して患者の生体情報を扱うことの意義や危険性、遠隔医療の制度、技術など基礎的事項を理解し、支援が実施できるよう研修会を企画してケアの統一性を図る。その後ランダム化比較試験により、外来化学療法を受けたがん患者が遠隔看護システムによる支援を受けた群(以下介入群)と通常の診療を受ける群(以下対照群)を比較し、治療による副作用や症状の増悪予防及びQOLの変化を測定し遠隔看護システムの効果を明らかにする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
予定してた遠隔看護システムの構築の業者への支払いが、現在システムの構築作業中であり、まだ済んでいないためである。今後はシステムができ次第支払予定である。また実際の介入研究を遂行する上で、PCや血圧計のレンタル料金等のランニングコストが発生するため、余剰金はその予算に充てる予定である。
|