研究課題/領域番号 |
18K10282
|
研究機関 | 岐阜県立看護大学 |
研究代表者 |
石川 かおり 岐阜県立看護大学, 看護学部, 教授 (50282463)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 精神障害者 / 親亡き後のこと / 精神科訪問看護 / 家族支援 |
研究実績の概要 |
精神障害者の視点から「親亡き後の問題」に関する不安や必要とする支援について明らかにすることを目的として、昨年度に引き続きピアサポート活動を行っている精神障害者を対象として、「親亡き後の問題」に関するインタビューを行った。インタビューの内容は、質的帰納的に分析をした。対象者は、親亡き後について不安に思っている一方で、あまり考えないようにしている、なるようになる、現在の支援者に助けてもらえると思う、などあまり深刻に捉えないようにもしていた。また、「親亡きあとのこと」について親と話したいけれど話しにくいという状況の一方で、具体的に親と一緒に「親亡き後のこと」について話をしている対象者もいた。また、親亡きあとのことよりも、自分亡き後に迷惑をかけないようにしたいと考えていたり、これから親が年老いて介護が必要になったときのことすなわち親亡きあとまでの過程を心配する対象者もいた。 また、前年度の看護師を対象とした質問紙調査と上記のインタビュー結果を踏まえて、親亡き後の将来のことに関する対話を基盤としたワークショップを2月に実施した。プログラムは、①当事者の立場から親亡きあとのことに関するミニ講演、②対話カフェ、とした。参加者は32名であった。 事後アンケートの回答者は16名(回収率:51.61%)、当事者6名、親6名、その他の家族1名、支援者1名、未記入2名であった。1.ミニ講演について新たな気づきを得ることができたと回答した者は68.75%、2.対話カフェを通して新たな気づきを得ることができたと回答した者は62.50%、「3.対話カフェを通して参加する前と気持ちの変化はあったと回答した者は62.50%であった。4.全体的な満足度で満足と回答した者は68.75%であった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画では3回程度対話カフェを実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染症の感染予防のため、2回目以降は実施できていない。
|
今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症が落ち着いたら、対話カフェの再開を検討する。また、「親亡き後の問題」 に関する情報リーフレットおよび対話しながら書き込むノート型のツールの開発に取り組む。これまでの成果について論文化する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の感染予防のため、2019年度に予定していたワークショップ(対話カフェ)が開催できなかったため。 2020年度も新型コロナウイルス感染症の状況によってはワークショップの開催は難しい可能性がある。対話型ツールの作成費に充てる予定である。
|