研究課題/領域番号 |
18K10283
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
西岡 裕子 日本福祉大学, 看護学部, 講師 (10405227)
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研究分担者 |
深田 順子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (60238441)
鎌倉 やよい 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, その他 (00177560)
渡邉 直美 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (40736782)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 頭頸部がん / 頸部郭清術 / 機能障害 / リハビリテーション / 組織硬度 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、頸部郭清術後の肩関節周囲の運動障害に対するリハビリテーションに加え、頸部周囲組織の「硬さ」の改善や摂食嚥下障害へも対応した包括的なリハビリテーションを実施するための看護プログラムを開発することである。2019年度は、プログラムに導入予定の頸部可動域エクササイズについて、健常若齢者が4週間継続実施した結果、嚥下反射惹起潜時の短縮がみられ、嚥下機能改善への効果も示唆された。 2020~2021年度は健常高齢者に対する頸部可動域エクササイズの効果を確認する予定であったが、新型コロナウイルス感染症の流行によりデータ収集は難しい状況であった。そのため、高齢者の摂食嚥下機能の特徴及び必要な訓練に関する文献検討を行った。 医学中央雑誌を用い、「要支援高齢者or介護予防」and「口腔機能or摂食嚥下機能」and「体操 or 訓練 or 運動」で検索し、「原著論文」「ランダム化比較試験,準ランダム化比較試験,比較研究」及び「介入研究」で絞り込みを行った結果、9件が該当した。英文献は、PubMedにて「swallowing function or deglutition function」 AND 「older people or elderly people」AND 「independent or community-dwelling」AND 「exercise or training」AND 「interventional study or intervention study」とし、Age65+ years5年分を検索した結果、13件が該当した。 文献検討の結果、舌運動や開口訓練は、舌骨上筋群の筋力増強に関連するするため、高齢者の誤嚥予防に有効と考えられた。これらの訓練は、頸部郭清術後の機能障害にも有効であると考えられるため、今後プログラムへの導入を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020~2021年度は健常高齢者に対する頸部可動域エクササイズの効果を確認する予定であったが、新型コロナウイルス感染予防対策により、研究対象者を集めてのデータ収集は難しい状況であった。そのため、データ収集を実施することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、高齢者の摂食嚥下機能の特徴と必要な訓練について検討を行った。高齢者は、加齢による筋力低下から舌骨上筋群などの嚥下関連筋の筋力低下が起こり、このことが誤嚥リスクへつながることが示唆されている。舌骨上筋群の筋力低下にアプローチする訓練として舌運動や開口訓練が有効であることが文献検討の結果、明らかとなった。今後は、頸部可動域エクササイズだけでなく、舌骨上筋群の筋力低下に対する舌運動、開口訓練についても継続実施の効果を検証し、プログラムへの導入を目指す予定である。 また、エクササイズや訓練を継続して実施するための方策に関する文献検討を行い、介入方法を検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は、データ収集を予定していたが、新型コロナウイルス感染症により実施することができず、主な支出は文献複写や書籍の購入であったため、次年度使用額が生じた。 学会参加費は、教員研究費を使用したことや、オンラインでの参加により旅費が発生しなかったため残額が発生した。 残額は、物品費(摂食嚥下機能を測定するための機器類)、謝金(被験者への謝礼)、論文投稿費(日本看護科学会誌)に使用する。
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