研究課題/領域番号 |
18K10288
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
森本 紗磨美 高知県立大学, 看護学部, 助教 (10457939)
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研究分担者 |
大川 宣容 高知県立大学, 看護学部, 教授 (10244774)
田中 雅美 高知県立大学, 看護学部, 助教 (50784899)
井上 正隆 高知県立大学, 看護学部, 講師 (60405537)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 周術期 / ヘルスリテラシー |
研究実績の概要 |
消化器がん患者はがんであるという不安を抱え、手術の準備や術後の生活を構築するために周術期ヘルスリテラシーを発揮することが求められる。本研究では周術期ヘルスリテラシーを「手術のための情報を得て理解し、周術期を乗り越えるための準備、術後回復を促進するための行動を主体的にとり、手術を受けた身体を調整しながら生活する能力」とし、消化器がん患者の周術期ヘルスリテラシーを明らかにすることを目的とした。消化器がん患者は自分の【症状の評価をし】、知らず知らず得てきた知識より【必要な情報を手繰り寄せ】、【医療者の説明から掴ん】だことから自分の状況を判断し、手術に納得していた。さらに【医療者の反応を感じ取り】得たことが重みづけとなり、手術を【自分のこととして捉える】ようになり、【手術のためにすべきことに取り組む】ことができていた。術後も【周囲の人から情報をもらい】、自分の状況と比較し、【自分に起きることを予測する】ことが、術後の身体の変化を【自分のこととして捉え】ることにつながっていた。その結果、【自分なりの工夫で回復のために取り組】み、術後の生活を思い描きながら、排便や食事、治療の継続など【健康管理のための調整を図って】いた。今回、明らかになったことをもとに、周術期に携わる看護師を対象に、現在実施している支援の内容、周術期ヘルスリテラシーを高めるために必要な支援、支援を行う上での促進因子や阻害因子と思われることなどについてインタビュー調査を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
患者への分析過程において、消化器がん患者の特徴を抽出するため、再分析を行っている段階である。また、看護師へのインタビュー調査が新型コロナウイルス感染症流行開始と重なり、実施できていない。当初、看護師へのインタビュー調査は、様々な意見交換、内容の広がりを期待し、フォーカスグループインタビューを予定していたが、現状ではそれは非常に困難であることが考えられるため、個別インタビュー調査へ切り替えることで研究を進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の流行、地域や医療者の状況を見定めつつ、看護師へのインタビュー調査が実施できるよう、当初、フォーカスグループインタビュー予定であったが、現在の状況を鑑みて、個別インタビューを計画中である。また、社会情勢や対象者や研究者の健康状態への影響を踏まえると、施設へ依頼したうえでの対象者の確保は困難であることが想定される。したがって機縁法など対象者確保のための手段を再検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
看護師へのインタビュー調査が開始できておらず、翌年度への繰り越しとなっている。2020年度は繰り越しているインタビュー調査、ヒアリング等を行い、周術期ヘルスリテラシー支援プログラムの作成を行う予定としている。看護師へのインタビュー調査やヒアリングにて専門職者への謝金が必要となり、インタビュー調査のデータ、ヒアリングデータについては専門業者への逐語録作成依頼予定である。また、患者を対象とした研究結果を論文投稿する予定である。
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