研究課題/領域番号 |
18K10291
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
大坂 和可子 慶應義塾大学, 看護医療学部(信濃町), 准教授 (70322344)
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研究分担者 |
中山 和弘 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (50222170)
米倉 佑貴 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 助教 (50583845)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 意思決定支援 / 教育プログラム / ディシジョンエイド / がん / 医療者 |
研究実績の概要 |
本研究は、がん患者の意思決定への参加を促進するディシジョンエイド(Decision aids; DA)の系統的開発と、DAを活用した意思決定支援が出来る医療者を育成する教育プログラムを開発することを目的としている。本年度は、1)ディシジョンエイド開発に関心を持つ研究者のヒアリング、2)文献検討と欧米のDA開発およびDAを活用した教育プログラムに関する情報収集を行った。1)では、がん患者向けのDA開発者2名、精神疾患のある患者向けのDA開発者1名の計3名より、開発過程におけるニーズを聴取した。系統的開発手順に関する知識、DA国際基準に沿って開発する際の専門用語に関する知識、DA開発が適している内容かどうかの検討方法についての知識へのニーズもあった。いずれの研究者らも、伝えたい情報を盛り込むと情報量が多すぎてしまうことや、いかにわかりやすく伝えるかに悩んでいることもわかった。2)では、情報収集の結果、最も詳細にDA開発に関する情報を集積しているOttawa decision aidウェブサイトおよびInternational Patient Decision Aids Standards(IPDAS) Collaborationウェブサイトのコンテンツと情報源となる文献を参考に教材の骨子を固めた。教材骨子としては、意思決定支援の基本となる意思決定の基礎知識、意思決定支援とは何か、意思決定ガイド開発のプロセス、意思決定ガイド提供の効果、意思決定ガイドの更新とした。次年度教材案の作成後、DA開発経験者へのヒアリングを行い、内容妥当性と教材提供方法について聴取し教育プログラム案を作成することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の計画を見直しがん医療に携わる医療者のニーズ把握を、教育プログラム作成後に、内容妥当性と合わせて実施する計画に変更した。その結果、より本研究の独創的な点でもあるDA開発者も活用できる教育プログラムに必須となる教材作成に着手するとができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究推進のために、分担研究者との連携を強化することに加え、DA開発者を研究協力者として募りネットワークづくりに取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究申請時、本研究の成果として開発されたDecision aids;DAを集積するウェブサイト構築にあたり、DAは紙媒体をベースとしてPDFにて公開することを計画していたが、近年の動向としてオンラインDAの開発が進んでいることがわかり、より確実に簡便にDAを開発し集約するシステムも同時に構築することとしその予算確保が必要となったため。
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