研究課題/領域番号 |
18K10293
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
山幡 朗子 愛知医科大学, 看護学部, 准教授 (40440755)
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研究分担者 |
春田 佳代 修文大学, 看護学部, 教授 (60329828)
山本 さゆり 愛知医科大学, 医学部, 講師 (10268021)
水田 文 修文大学, 健康栄養学部, 講師 (90367665)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 過敏性腸症候群 / 生活習慣 |
研究実績の概要 |
IBS患者23名,対照者16名を対象に1週間継続的に,生活習慣,主症状についての記録,および質問紙調査を行った. IBS患者と対照者の年齢,性別,身長,体重,BMIの差はなく,IBSの重篤度および疾患に特異的なQOL尺度においては差がみられた.健康関連QOL尺度においては,身体的QOLサマリーおよび,精神的QOLサマリーで差がみられた.IBS患者は,過去一か月間の睡眠の健康と生活習慣などを質問項目として問う睡眠健康調査票において,総得点および,寝ぼけ,金縛り等のパラソムニア関連,睡眠薬使用といった入眠障害関連にて問題をかかえる傾向にあった.食物摂取頻度調査より,IBS患者および対照者ともに脂質摂取量が多いことが認められた.日本人の食事摂取基準2020において脂質摂取の目標量は20~30%Eが望ましいが30%Eを超える摂取量であった.身体活動について活動量計を用いて調査では,1日あたりのエクササイズは,対照者に比較してIBS患者では少なかった.一方で,IBS患者の中でも運動を習慣化し,活動量が多い方もみられ,個人差が大きいとも考えられた. 一週間の排便回数は,IBS患者と対照者の差はなかった.一方,IBS患者は止痢薬や整腸剤,下剤等を内服している者が多く,腹痛,腹部膨満感等の症状を有していた.IBS患者は,外来受療中の患者であり,薬剤の処方を受ける機会が多いと考えられ,IBSに伴う症状を,薬剤を用いて調整する様子がうかがえた.また,IBS患者は対照者と比較して排便回数や性状に差異がないものの,腹痛,腹部膨満感等の症状がみられた.このため援助の際には,IBS患者の状態を把握する際には,排便回数,服薬状況に加えて,症状についての情報を活用し,アセスメントする必要があると考える.加えて,食事内容,活動状況,睡眠状況といった生活習慣を鑑み,援助に活かしていくことの必要があると考えられた.
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