研究課題/領域番号 |
18K10294
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研究機関 | 同志社女子大学 |
研究代表者 |
木村 洋子 同志社女子大学, 看護学部, 准教授 (40280078)
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研究分担者 |
田嶋 長子 大阪府立大学, 看護学研究科, 教授 (60150992)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | うつ病 / 家族支援 / 心理教育プログラム / ICT活用 |
研究実績の概要 |
本研究は従来,対面集合型で実施してきた心理教育プログラムをInformation and Communication Technology(以下,ICTとする)を活用して実施できないかと考えたことが端緒である. 従来実施してきた対面集合型・心理教育プログラムでは,参加者と研究者,参加者同士の相互作用が参加者を癒し,支え,課題を解決する力を付与させていたと考えられる.対面集合型・心理教育プログラムで生じる相互作用を,ICTを活用した家族支援プログラムのなかでどのような実現していくかが本研究の大きな課題・鍵となる. 今年度はICTを活用した家族支援プログラム・システムを検討し,構築することを目的としている.ICTを活用して家族支援プログラムを検討する上で,研究代表者・研究分担者が必要と考えている機能として,以下の点が挙げられる.まず,双方向性を備えていること(相互作用実現性),個人情報保護の観点から高いセキュリティ機能を備えていること(安全性),アクセスのしやすさ(簡便性)などを備えていることである.さらに,昨年度実施した文献検討等により,マルチデバイス方式を取り入れることやメール等を活用した日程調整ができること(調整機能)などがシステムに必要な要件として加わった.また,本プログラム・システムを長期的に活用・維持するためには負担可能な範囲でのランニングコスト(低コスト)であるという要件も加わった. 研究代表者・研究分担者はW E B作成専門家やWEB作成業者に上記5つの要件を満たすシステム構築について問い合わせ・相談を繰り返した.上記5つの要件を満たすシステム案に,細かな検討を加えているところである.次年度,運用する上で,【相互作用実現性】をどのように満たしていくか,医療者からの視点・利用者からの視点から検証・修正等を実施していく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度はICTを活用した家族支援プログラム・システムを検討し,構築することを目的としている. まず,研究代表者と研究分担者は家族支援プログラム・システムを構築する上で,必要な要件の検討を行なった.システムを構築する上で必要な要件は【相互作用実現性】【安全性】【簡便性】【調整機能】【低コスト】である.さらに,プログラム・システムを運用する上で【相互作用実現性】【安全性】【簡便性】【調整機能】【低コスト】をどのように担保できるか検討した.これらをもとに,W E B作成専門家・W E B作成業者への問い合わせ,相談,選定,依頼を行なった.現在,上記5つの要件を満たすシステム案に,細かな検討を加えているところである.
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今後の研究の推進方策 |
従来実施してきた対面集合型・心理教育プログラムで生じる相互作用を,ICTを活用した家族支援プログラムを運営する上でどのように担保していくか,実現していくかが本研究の大きな課題・鍵となる.医療者,あるいはうつ病者家族を対象としたインタビュー調査等を実施し,医療者の視点,参加者の視点からICTを活用した家族支援プログラム・システムを検証・修正し,広域的に活用可能なプログラムとなるよう進めていく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由として,うつ病者家族・医療従事者を対象としたインタビュー調査を年度内終了できなかったことが挙げられる.今年度はプログラム・システム構築と同時に,うつ病者家族・医療従事者を対象としたインタビュー調査を実施する予定であり,調査に伴う旅費・人件費等予算計上している費用については使用する.
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