2005年以降,うつ病性障害の診断件数が増加した.多くのうつ病者が働き盛りであり,家庭内でも重要な役割を果たしている.そのため,家族も高いストレスを感じ,家族機能の不全等が報告されている.うつ病者や家族を対象とした心理教育プログラムは日常生活の困難や家族機能,精神的健康を改善し,うつ病者の活動時間や気分が向上し,復職準備性も高めることができる.ICTを利用した支援システムは,居住地や時間の制約を受けずに支援が可能で,従来の対面型支援の制約を克服できると期待されるが,新型コロナ等の影響で実施・評価は至らなかった.今後,ICTを活用した支援システムが新しい支援の形として期待されると考えている.
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