研究課題/領域番号 |
18K10298
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研究機関 | 神戸女子大学 |
研究代表者 |
洪 愛子 神戸女子大学, 看護学部, 教授 (60591790)
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研究分担者 |
奥井 早月 神戸女子大学, 看護学部, 助教 (00783002)
横内 光子 神戸女子大学, 看護学部, 教授 (10326316)
野並 葉子 神戸女子大学, 看護学部, 教授 (20254469)
鷲田 幸一 神戸女子大学, 看護学部, 助教 (30803241)
元木 絵美 神戸女子大学, 看護学部, 講師 (70382265)
藤原 由子 神戸女子大学, 看護学部, 准教授 (70549138)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 専門看護師 / 認定看護師 / 慢性疾患看護 |
研究実績の概要 |
本研究は、本邦における高度実践看護師である専門看護師および認定看護師が提供する看護サービスについて、特にアウトカム評価に焦点をあてた適切性・有用性を備えた評価指標の開発である。現在、看護サービスの評価指標は複数あるが、専門看護師と認定看護師の提供する看護サービスに関して、その活動支援や教育の改善、経済的評価を含む制度・政策の改善を目的とした、適切なアウトカム評価の指標は開発されていない。有用性・適切性を備えたアウトカム評価指標を示すことは、専門看護師と認定看護師が提供する看護サービスを、病棟単位や施設単位で、あるいは地域単位での看護力として有効活用するためのエビデンス構築につながる。本年度は専門看護師と認定看護師の活動実績について、文献および国内学会(日本看護科学学会学術集会他)に参加し情報を収集した。また、専門看護師と認定看護師が分担研究者中4名いることから、これまでの臨床での実践や研究から活動評価の側面を検討し、慢性疾患看護分野の専門看護師と認定看護師に共通する概念モデルについて整理した。(1)直接ケアとしては、健康維持、健康回復、病勢の悪化予防、エンド・オブ・ライフ・ケアなどがあり、アプローチとしては、患者の身体へのアプローチと患者の体験へのアプローチがある。(2)間接的ケアとしては、地域、病院組織多職種への働き掛けがある。(3)教育・プログラム構築は、患者・病院組織・地域が対象となっている。(4)キャリア支援・ロールモデルは、看護部門への働きかけ、看護の質の向上に繋がっている。(5)患者-医師との間の治療支援の充実に繋がっている。今回の研究では、単独の直接ケア評価より、多職種が専門性を発揮することへの専門看護師や認定看護師らの役割期待が大きいことを踏まえ、間接的ケアの側面からアウトカムを捉えていく。次年度はインタビューを通して明らかにしていくことになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
専門看護師と認定看護師の活動評価の側面として、患者へのアプローチ・他職種へのアプローチ・看護師へのアプローチの3つの側面があげられる。制度の初期には、困難事例に対する高度看護実践者としての役割が中心的であったが、現在は、周囲の人に働きかけ、モデル的な役割や、標準的なものを作り出していくという役割を期待されるようになっている。また、直接的ケアは分野によりアウトカムが様々であること、単独的ケアが評価されるより多職種が専門性を発揮することが求められていることからも、間接的ケアの評価に焦点を当てた方が良いという、今後の研究の具体的方向性について、検討に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
病院施設に勤務する①CNS・CN、②CNS・CNと協働したことのある看護師(先輩・同僚・後輩)、③CNS・CNが所属する施設の看護部長、もしくは看護部長が適任と考えた管理者を対象に、フォーカス・グループ・インタビューを行ない、所属組織や組織のスタッフに及ぼす影響や利点から、CNS・CNの活動評価の項目を抽出し、活動評価指標を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
グループインタビューが次年度になったため、未使用額が生じたが、計画を進めていくことで次年度に使用する計画である。
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