研究課題/領域番号 |
18K10303
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
武田 洋子 山形大学, 医学部, 准教授 (10389976)
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研究分担者 |
佐藤 和佳子 山形大学, 医学部, 教授 (30272074)
古瀬 みどり 山形大学, 医学部, 教授 (30302251)
川口 寛介 山形大学, 医学部, 助教 (70755868)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | がん看護 / 膵臓がん / セルフケア / 食生活 / 栄養 / 外来化学療法 / アセスメント表 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、膵臓がん患者を対象にサバイバーシップ(がんになっても生き抜くため)のニーズに応じた支援プログラムを開発することである。 2019年度の計画は、膵臓がん患者の食と栄養に焦点を当て、外来化学療法中の膵臓がん患者の食生活のセルフケア状況に応じた支援・看護介入のためのアセスメント表を開発した。開発は、B. van Meijelら(2004)が提唱している「根拠に基づく看護介入を開発するモデル」の4つの手順に沿い、次の1から3までを行った。1.問題の定義 2.文献検討、問題・ニード分析、現行の実践分析 3.介入(我々の研究ではアセスメント表)のデザイン作成。 アセスメント表は、複数を試作・検討した。具体的には、①膵臓がんの病態 ②治療 ③栄養状態 ④有害事象の出現とそのレベル ⑤疼痛管理 ⑥有害事象出現時の食の工夫 ⑦栄養補助食品等の利用状況 ⑧進行がん患者を対象に食に対する心情と家族関係に着目した、天野らが開発した「食の苦悩」を採用 ⑨食に関する情報活用 ⑩栄養相談、ピアサポートの利用を主項目とし、それぞれに検査データによる客観的データ、聞き取りによる患者の主観的データから成るものを作成した。一方、膵臓がん患者の食と栄養に関するセルフケアの状況を把握するために、①栄養管理 ②症状管理 ③有害事象に対するケア ④膵臓がん・治療の受容 ⑤食に対するストレス対処 ⑥有害事象時の食事の工夫 ⑦食を楽しむための工夫 ⑧食に関する相談・情報活用 ⑨家族との関係調整 ⑩社会資源の利用などの項目を設定した。これらの項目について、実施状況(全て実施、一部実施、取り入れたい、行わない)と誰が行うか(自身、家族、看護師、社会資源)を確認するマトリックス表を作成した。これらを対象者が活用できる方策として、対象者のエンパワメント を引き出す可能性のある「対話型カード」を考案するに至った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
看護介入(アセスメント表)の妥当性を検証する段階に至らなかったので。
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今後の研究の推進方策 |
2020 年度は、臨床の多職種チームと検討を重ねて、外来化学療法を受ける膵臓がん患者のための「食・栄養アセスメントモデル」として、アセスメント表と対話型カードについて、その妥当性を検証する。さらに、介入効果について事例検証を行う。 2021年度には、化学療法を受ける膵臓がん患者の「食・栄養アセスメントモデル」を再検討した上で、Webサイトに公開する。
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次年度使用額が生じた理由 |
看護介入(アセスメント表)の開発が遅延したために学会発表が年度内に行えず、国際学会発表に係る費用が次年度に繰り越しとなったため。
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