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2022 年度 実施状況報告書

膵臓がん患者のサバイバーシップ(生き抜く)支援のためのプログラム開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K10303
研究機関山形大学

研究代表者

武田 洋子  山形大学, 医学部, 准教授 (10389976)

研究分担者 佐藤 和佳子  山形大学, 医学部, 教授 (30272074)
古瀬 みどり  山形大学, 医学部, 教授 (30302251)
川口 寛介  山形大学, 医学部, 助教 (70755868) [辞退]
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワードがん看護 / 膵臓がん患者 / QOL / 栄養 / 食の苦悩 / セルフケア
研究実績の概要

本研究の目的は、膵臓がん患者を対象にサバイバーシップ(がんになっても生き抜くため)のニーズに応じた支援プログラムを開発することである.
2022年度は、外来で膵臓がん化療法を受けている患者を対象にQuality of life(QOL)と栄養状態・食に関連する苦悩との関連を検討した.その結果、肝臓・胆道・膵臓がん患者のQOLの平均値は先行研究と同じ傾向であり,対象者の73%から79%に何らかの栄養障害がみられていた.QOLの高い患者と低い患者を比較すると,栄養状態には有意差はみられなかった.一方,食に関する苦悩では,「食べないといけないとわかっているが食べられない」,「食事を用意してくれた家族の思いに応えられない」と回答した患者の割合が,QOL の低い患者に多いことが示された.これらのことから,膵臓がん患者のQOL の向上には,症状のマネジメントとともに食の苦悩を緩和する取組みが必要であることが示唆された.これらの研究成果は論文にまとめ,第37回日本がん看護学会で発表した. 食べられる喜び・楽しさは,人々のQOLを高めている.膵臓がん患者・家族にとっては,食べることが状態を維持しながら生活していくこと・生きていくこと・余命の判断指標にもなっている.そのため,膵臓がん患者・家族は食に関して苦悩を感じることが推察され,我々の研究では,膵臓がん患者の58%が「何だったら,食べられるのか」と悩んでいた.これは,標準的な食品やメニューなどの情報提供だけではなく,個々人に応じた食事や心理面への支援が求められていることが示唆される.
以上のことから,膵臓がん患者のサバイバーシップ支援プログラムには,食の苦悩へのケア,患者・家族のセルフケアを多面的に評価する尺度を検討している.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

膵臓がん患者の食・栄養とQOL との関連から患者・家族の情報や精神面に対するニーズを明らかにした.しかし,サバイバーシップ支援プログラムの完成には至っていないため。

今後の研究の推進方策

2023 年度は,前年度までの研究成果を学会誌に投稿する.膵臓がん患者のサバイバーシップ支援プログラムとして,外来化学療法を受けている患者・家族のセルフケアを多面的に評価する尺度を作成し,食の苦悩に対する介入等の効果について事例検証を行う

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍で国内学会発表に限定し、国際学会発表や投稿に係る費用を次年度に繰り越しとなったため。次年度は、国内外の学会発表や論文投稿をする予定。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 化学療法を受けている膵臓がん患者の健康関連Quality of lifeの特徴と栄養に関連する指標・食の苦悩の実態との関連2023

    • 著者名/発表者名
      武田洋子、佐藤和佳子
    • 学会等名
      第37回日本がん看護学会学術集会

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公開日: 2023-12-25  

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