単一の疾患を中心に組織化されている医療システムにおいて多疾患併存は大きな課題となっている。筋萎縮性側索硬化症(ALS)の中には、認知機能障害を抱える療養者が増加傾向にある。特に、ALSは病状進行に伴い、多くの意思決定が求められるため、認知機能の障害は支援上の重要課題である。ALSはこれまで認知機能障害は問題ないとされてきたため、看護人材の理解を促し、認知症のケアを融合した新たなALSケア方法の開発が求められる。ALSは複雑多様なケア課題を抱えるうえ、さらに認知機能障害を伴う場合には、ケアの受け手とケア提供者の負担増となる。本研究はこれからのALSケアの質向上に資する研究内容である。
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