研究課題/領域番号 |
18K10305
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
沼田 法子 千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 特任助教 (10725253)
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研究分担者 |
清水 栄司 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (00292699)
関 陽一 千葉大学, 医学部附属病院, 特任助教 (30757828)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 神経性過食症 / 認知行動療法 / ランダム化比較試験 / オンライン |
研究実績の概要 |
本研究は、遠隔認知行動療法(Video Cognitive Behavioral Therapy:以降:vCBT)を持続可能で汎用的な社会システムとして定着させる一助として、過食症のvCBTが安全性と有効性をもって実現可能であることをランダム化比較試験で実証することを目的とした。オンラインでの過食症のCBTの安全性と有効性が実証できれば、全国の患者へのCBTの普及が可能になり、通院の時間やコストを削減できる。具体的には、過食症(過食と自己誘発嘔吐が主症状のもの)の患者に対し、テレビ会議システムを利用した遠隔の認知行動療法(vCBT)を通常診療に加えて実施する群は、通常診療群と比較し、主要評価項目である過食と嘔吐の回数の総計(EDE)及び副次評価項目であるQOL評価尺度EQ-5D-5L(Euro-QOL)などの有意な改善を探索的に検討することを目的とした。有効性の主要評価項目は、主観的なEating Disorder Examination (EDE)の過食と自己誘発嘔吐の合計回数の16週時点での1週時点(ベースライン)からの変化量とした。副次評価項目は、Eating Disorder Examination (EDE-Q) (自記式)の下位項目の16週時点での1週時点(ベースライン)からの変化量、Bulimia Investigatory Test, Edinburgh(自記式)の下位項目の16週時点での1週時点(ベースライン)からの変化量とした。介入群は、主治医との通常診療に加え、テレビ会議システムを用いての遠隔での認知行動療法(vCBT)を実施した。認知行動療法のマニュアルは、過食症サバイバルキット(ウルリケ・シュミット著)をもとにテレビ電話用に作成したスライドを使用し、週1回50分のセッションを連続16回、3ヶ月後にフォローアップを実施した。待機群は、主治医の通常診療を継続とした。待機終了後に希望者に、過食症に対するCBTをオンラインで受けていただけるよう付随試験を設けた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナウィルス感染拡大のため、リクルートが遅延し、研究期間の延長をせざるを得なかったが、20名登録したため募集を終了した。
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今後の研究の推進方策 |
2021年3月末、20名(介入群10名、待機群10名)の登録をもって募集を終了した。現在、付随試験は進行中であり、2022年8月ごろ全て終了予定である。今後は、本試験のデータを固定、統計解析をし、結果を公表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウィルス感染拡大の影響でリクルートが遅延したことにより、治療の終了に遅れが出たために、2名分の謝金の繰越が生じた。繰り越した金額は、2名分の謝金と結果公表の際の英文校正費や論文投稿費に充てる。
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