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2019 年度 実施状況報告書

患者参画による心不全患者と家族のQOL向上をめざしたナラティブ教材の作成

研究課題

研究課題/領域番号 18K10308
研究機関山梨大学

研究代表者

射場 典子  山梨大学, 大学院総合研究部, 医学研究員 (00258980)

研究分担者 谷口 珠実  山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (10258981)
隈本 邦彦  江戸川大学, メディアコミュニケーション学部, 教授 (20422016)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード患者の語り / 心不全 / ナラティブ教材 / インタビュー / 質的研究 / データベース
研究実績の概要

今年度は、英国Oxford大学のHealth Experiences Research Group(HERG)が開発した患者体験をデータベース化する質的研究方法を用いて、心不全患者19名と家族1名の計20名に対して、インタビューを行った。
患者は、20~90代の男性11名、女性8名で、家族1名は60代の男性であり、うち18名はビデオインタビューに承諾した。インタビュー時間は65~213分(平均122分)で、心不全の原因は虚血性心疾患5名、弁膜症5名、高血圧4名、不整脈3名、心筋症2名、心臓サルコイドーシス1名であった。全員が薬物治療を受けており、その他にステント手術5件、弁置換・形成術など5件、ペースメーカー2件、植え込み型除細動器1件といった治療を受けていた。
インタビューで語られた経験は、①心不全の発症時の経過、②心不全の症状、③心不全の診断、④心機能回復に向けた治療の経験、⑤回復後の生活や仕事、⑥他者との関係、⑦医療者に関するエピソード、⑧病いから得たこと、⑨将来への思いなどであった。
発症の経緯と受け止め方はさまざまで、年齢や社会背景によっても異なる軌跡を辿っており、長期的に病いと向き合う生活の現状が語られていた。病状の理解と生活調整には、医療者の説明のみならず、個々の病気の受け止めと人生の優先順位等が影響を受けていた。
引き続き、病状や背景情報を検討しながら、多様な対象者へのインタビューを継続し、心不全を患うという経験を当事者の視点から明らかにし、語りをもとにナラティブ教材を作成する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

インタビュー協力者のリクルートをウェブページ公募と患者会やSNSを通して行い、今年度の予定数を得ることができた。

今後の研究の推進方策

心不全患者がインタビューの対象であり、covid19の高リスク群であるため、今後は対面でのインタビューが困難となることも考えられる。方法論の変更として、リモートインタビュー実施について検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

今年度は国際学会の参加を見合わせたことと、遠方でのインタビュー実施件数が少なく旅費の支出が抑えられたため、次年度使用額が生じた。次年度にリモートインタビューの検討を行い、実施に必要な機器、及びソフトウェア等の購入を行う。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020 2019

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] 心不全の語りデータベース構築(第二報)2020

    • 著者名/発表者名
      射場典子、谷口珠実、鷹田佳典、水野篤、隈本邦彦
    • 学会等名
      第76回日本循環器心身医学会学術総会
  • [学会発表] 心不全の発症に至る過程の患者の語り―「心不全の語りデータベース」作成の経過報告―2020

    • 著者名/発表者名
      射場典子、鷹田佳典
    • 学会等名
      第46回 日本保健医療社会学会大会
  • [学会発表] 患者の語りから学ぶー健康と病いの語りDIPEx-Japanの活用を通してー2020

    • 著者名/発表者名
      谷口珠実、射場典子、森田夏実、横井郁子、瀧本まどか
    • 学会等名
      日本老年看護学会第25回学術集会
  • [学会発表] 「ほめてあげたい、自分の心臓を」60代男性が語る心臓を患う経験―「心不全の語りデータベース」作成の経過報告―2019

    • 著者名/発表者名
      射場典子、鷹田佳典
    • 学会等名
      第45回 日本保健医療社会学会大会
  • [学会発表] 心不全患者の語る薬物療法への取り組み2019

    • 著者名/発表者名
      射場典子、谷口珠実
    • 学会等名
      第24回聖路加看護学会学術大会

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公開日: 2021-01-27  

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