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2020 年度 実績報告書

精神科病棟での当事者と協働した攻撃行動マネジメントツールの開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K10309
研究機関信州大学

研究代表者

下里 誠二  信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (10467194)

研究分担者 松永 保子  信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (50269560) [辞退]
木下 愛未  信州大学, 学術研究院保健学系, 助教 (50783239)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード攻撃性 / 包括的暴力防止プログラム / 協働
研究実績の概要

本年度は2019年に発刊した「包括的暴力防止プログラムトレーニングマニュアル(中央法規刊)」に掲載したケアシートを昨年に引き続き試行し分析、結果をまとめた。本年度は対象となっていた病棟が新型コロナ感染症対応病棟であったためにほとんど研究的な取り組みはなされない状況であり、結果トータルで3病院の3精神科病棟から9名に試行された。シートには看護師用に患者の攻撃に対する看護師の態度(ATAS:Attitude Towards Aggression Scale)と病棟風土(Essen-CESJ:Essen Climate Evaluation Schema)を,当事者にはEssen-CESJが開始前と開始一か月後に質問された。また、自由記述による回答を求めてあったが、対象数が少なかったことを補完するために、さらに,対象病棟3名の病棟師長に対して聞き取り調査を行った。分析として評価項目の前後比較(ウイルコクソンの検定)を,自由記述,聞き取り内容は質的内容分析を行った。結果9名のうち,当事者が退院により事後の調査がないものが2名いた。分析の結果,看護師の患者の攻撃に対する否定的態度が減少(Z=-2.12,p=0.034),当事者のEssen安全の実感が増加(Z=-2.13,p=0.03)した。効果量は中程度であった。質的内容分析からシートに関する使用感,気づきについて意味内容をコーディングしたところ,ケアシートはリスクを考える上で患者の体験そのものが保護因子となること、また、関係の在り方がリスクに影響することがわかり【リスクへの新しい視点】があった。一方で、組み込まれた質問(評価尺度)が難解であること、意図を知って使わなければ「義務感」が生じてしまう、などの改善も必要であることがわかった。ケアシートについては雑誌精神科看護誌でもCVPPPダイジェストマニュアルとして紹介した。

  • 研究成果

    (20件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (15件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 対人円環モデルに基づく精神科看護援助特性質問紙の開発とその信頼性・妥当性の検討2020

    • 著者名/発表者名
      木下愛未,下里誠二
    • 雑誌名

      日本看護研究学会誌

      巻: 43(1) ページ: 37-49

    • DOI

      10.15065/jjsnr.20190803071

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 精神科看護者の安全・安心感と援助特性, 病棟環境の関連2020

    • 著者名/発表者名
      下里誠二,木下愛未
    • 雑誌名

      日本精神科看護学術集会誌

      巻: 62(2) ページ: 63-67

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 包括的暴力防止プログラム (CVPPP) インストラクターにおけるリスクアセスメントの実態調査2020

    • 著者名/発表者名
      木下愛未,下里誠二
    • 雑誌名

      日本精神科看護学術集会誌

      巻: 62(2) ページ: 14-18

    • 査読あり
  • [雑誌論文] こころの安全とCVPPP2020

    • 著者名/発表者名
      下里誠二
    • 雑誌名

      日本こころの安全とケア学会誌

      巻: 2(1) ページ: 1-17

  • [雑誌論文] CVPPPダイジェストマニュアル 第3回CVPPPの理念と組織での活用2020

    • 著者名/発表者名
      下里誠二
    • 雑誌名

      精神科看護

      巻: 47(7) ページ: 66-67

  • [雑誌論文] CVPPPダイジェストマニュアル 第2回Person-centeredなCVPPPのために看護者自身の不安や恐怖と向き合うこと2020

    • 著者名/発表者名
      下里誠二
    • 雑誌名

      精神科看護

      巻: 47(6) ページ: 32-33

  • [雑誌論文] CVPPPダイジェストマニュアル 第1回 これまでのCVPPPから新しいCVPPPへ2020

    • 著者名/発表者名
      下里誠二
    • 雑誌名

      精神科看護

      巻: 47(5) ページ: 30-31

  • [雑誌論文] CVPPPダイジェストマニュアル第9回  振り返りと報告2020

    • 著者名/発表者名
      下里誠二
    • 雑誌名

      精神科看護

      巻: 48(1) ページ: 66-67

  • [雑誌論文] CVPPPダイジェストマニュアル第7回 ブレイクアウェイとチームテクニクス2020

    • 著者名/発表者名
      下里誠二
    • 雑誌名

      精神科看護

      巻: 47(12) ページ: 67-68

  • [雑誌論文] CVPPPダイジェストマニュアル第8回ブレイクアウェイとチームテクニクス22020

    • 著者名/発表者名
      下里誠二
    • 雑誌名

      精神科看護

      巻: 47(13) ページ: 30-31

  • [雑誌論文] CVPPPダイジェストマニュアル第6回ディエスカレーション2020

    • 著者名/発表者名
      下里誠二
    • 雑誌名

      精神科看護

      巻: 47(10) ページ: 67-38

  • [雑誌論文] CVPPPダイジェストマニュアル第5回リスクアセスメント編2020

    • 著者名/発表者名
      下里誠二
    • 雑誌名

      精神科看護

      巻: 47(9) ページ: 68-69

  • [雑誌論文] CVPPPダイジェストマニュアル第4回実践の概要2020

    • 著者名/発表者名
      下里誠二
    • 雑誌名

      精神科看護

      巻: 47(8) ページ: 68-69

  • [雑誌論文] CVPPPダイジェストマニュアル第10回 CVPPPのもたらす未来新しいケアのあり方Persona-Centered Care2020

    • 著者名/発表者名
      下里誠二
    • 雑誌名

      精神科看護

      巻: 48(2) ページ: 66-67

  • [雑誌論文] CVPPPダイジェストマニュアル第11回CVPPPのもたらす未来22020

    • 著者名/発表者名
      下里誠二
    • 雑誌名

      精神科看護

      巻: 48(3) ページ: 38-39

  • [学会発表] CVPPPトレーナー研修会「討論会」の展開方法を考察する2020

    • 著者名/発表者名
      毛利 春美, 下里 誠二, 永池 昌博, 藏本 和雄, 知浦 俊介
    • 学会等名
      第3回日本こころの安全とケア学会
  • [学会発表] 看護学生の対人関係上の困難感に関する研究2020

    • 著者名/発表者名
      下里誠二,鶴川柾也,木下愛未
    • 学会等名
      第27回日本精神科看護専門学術集会
  • [学会発表] 精神科看護師の患者に対する支配-従属特性の違いと攻撃性との関連2020

    • 著者名/発表者名
      木下愛未,下里誠二
    • 学会等名
      第27回日本精神科看護専門学術集会
  • [学会発表] 精神科看護者の倫理的感受性と看護援助との関連について2020

    • 著者名/発表者名
      木下愛未,下里誠二
    • 学会等名
      第30回日本精神保健看護学会学術集会
  • [学会発表] CVPPPは虐待を防げるか2020

    • 著者名/発表者名
      下里誠二
    • 学会等名
      第3回日本こころの安全とケア学会
    • 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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