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2018 年度 実施状況報告書

悪性脳腫瘍患者の家族に対する看護支援プログラムの作成を目指した研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K10310
研究機関大阪大学

研究代表者

辰巳 有紀子  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90759432)

研究分担者 荒尾 晴惠  大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50326302)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード悪性脳腫瘍患者 / 家族ケア / エンパワーメント
研究実績の概要

認知障害を起こした悪性脳腫瘍患者家族エンパワーメントに関する文献検討を改めて広く詳細に行った。その途上で複数の学会に参加し、情報収集や他の専門家らと意見交換を行った。さらに悪性脳腫瘍患者の治療件数等を踏まえ、研究分担者と会議を持ち、4年間の研究の方向性について話し合ったうえで、第一段階としての研究計画を明確にした。
本研究では、家族中心のエンパワーモデル(Family-Centered Empowerment Model:F(A)CE-M)に着目している。これは、家族をひとつのケアの対象としてとらえ、家族自らが持てる力を発揮し、健康的な家族生活が実現できるように、予防的・支持的・治療的な援助を行うことを目指したモデルである。家族へのempowermentが患者の心身の健康だけでなく、患者・家族両者のQOLやセルフエフィカシーを改善したり負担を軽減したりするなどの様々な効果を得ることができると報告されている(Najafi et al., 2017; Omebrahiem A. et al., 2018; Sanaie, et al., 2016; Azimi, et al., 2016)。患者家族が困難に対応するための力を伸ばすことが医療者には求められる。特に看護師の関わりにより家族が家族自身の健康を改善することが最も大きく影響することが指摘されている(Arief, et al., 2016)。
そこで現在、家族に関わり得る医療スタッフの中でも看護師によるケアに焦点化し、第一段階の研究の調査(認知障害を起こした悪性脳腫瘍患者家族のケアの実態調査)を実施中である。脳神経外科看護師10名に対するインタビュー調査(半構造化面接)であり、今後質的分析を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

予定していた第一段階の研究(看護師を対象としたインタビュー調査)を行うにあたり、対象者の収集方法をスノーボールサンプリングとした。その選択基準を「1.悪性脳腫瘍患者(原発性・転移性)をケアする看護師、2.研究の趣旨を理解・同意し、インタビューに答えることができる者、3.悪性脳腫瘍(原発性・転移性)をケアした経験年数3年以上」としていた。3で「(悪性脳腫瘍患者を)ケアする」者としたため、転科した看護師が含まれないこと、年末年始、年度末にかかったこともあり、紹介者の勤務状況等によって紹介が進まず、想定以上にサンプリングに時間を要してしまった。倫理委員会に対し、選択基準1を除くよう申請しており、今後は速やかに収集できる予定である。

今後の研究の推進方策

平成31年前期中に、現在行っている看護師を対象とした調査および逐語録作成を終了させ、テキストマイニングソフトを用いた分析を行う。平成31年度後期中に、当初平成31年度分として計画していた通り、悪性脳腫瘍患者の家族が直面する困難やニーズと家族が持つ問題解決能力に関して家族を対象とした調査を行う。また当初は患者家族10名程度への調査を行う予定としていたが、悪性脳腫瘍患者家族に対する看護支援モデルの提唱を目的としていることを考え、看護師への調査結果を踏まえた上で、計画については再考する予定である。

次年度使用額が生じた理由

おおむね予定通り使用したものの、調査のサンプリング(スノーボールサンプリング)が不調で研究計画全体が遅れている。それにより、インタビューデータの逐語録作成を業者に依頼する料金が発生せず、次年度への繰り越しとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 図書 (1件)

  • [図書] がん患者の症状まるわかりBOOK(共著、「めまい」「見当識障害」「言語障害①②」「頭蓋内圧亢進」担当)2018

    • 著者名/発表者名
      田村和夫、荒尾晴惠、菅野かおり編
    • 総ページ数
      528
    • 出版者
      照林社
    • ISBN
      9784796524421

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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