研究課題/領域番号 |
18K10314
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
新井 清美 信州大学, 学術研究院保健学系, 准教授 (50509700)
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研究分担者 |
森田 展彰 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10251068)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | アディクション / 発達障害 / 支援ツール |
研究実績の概要 |
本年度は、発達障害とアディクションの特徴を明確化し、支援ツールを作成することを目的に、①1年目に実施した当事者の支援を行うスタッフへのインタビューで抽出された支援する上で難しいと感じる点、2年目に実施した当事者へのインタビューで抽出された当事者およびのめり込みの特徴を基に、発達障害とアディクション、それぞれの種類による特徴について、Qualitative Data Analysis Software Nvivo12 Plusを用いてデータ内のパターンと主要テーマの可視化を行った。また、②アディクション医療の専門家および発達障害の支援に携わるスタッフと専門家会議を実施し、①で得られた成果を基に支援ツールの作成を行った。 ①により、ADHDまたはADDとインターネット・ゲームの重複者ではのめり込みにより「日常を侵食される」ことや、いったん始めると「ブレーキがかかりにくい」ことの実感が強く、ADHDとアルコールの重複者でも「ブレーキがかかりにくい」という実感は共通していること、ADHDとアルコールの重複者では「どうにもならなくなる」「シンプルでないと難しい」「人とのつながりを感じる」といった経験が突出していること、ASDとアルコールの重複者ではADHDのケースと同様に「人とのつながりを感じる」こと、そして自身の「特性を感じる」ことが多いことが見いだされた。これを基に、コミュニケーションアプリLINEを用いてチェックリスト機能や逆引き・アドバイス機能、チャット機能やデータ保存機能を搭載した支援ツールを作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度の計画は、発達障害とアディクションの特徴を明確化し、特徴に応じた支援ツールを作成することであった。計画は順調に進行していたが、最終段階でコミュニケーションアプリLINEのセキュリティ上の問題が表面化したため、支援ツールの機能をセキュリティの高いものへ変更する必要性が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
まず、コミュニケーションアプリLINEからWebへと支援ツールの変更を行う。その後に、このツールを用いて支援者が当事者の支援にあたり、使用前後の支援者の困難感の変化を測定するとともに、支援ツールの改良を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイル感染症による移動制限のために対面での研究打ち合わせおよび研究成果の発表を行うことができず、リモートでの実施となった。このことにより予定していた国内旅費の使用が大幅に減少した。本年度未使用額を支援ツールのセキュリティ強化費用および改良に充てる他、本研究の成果発表に用いる。
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