研究課題/領域番号 |
18K10315
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研究機関 | 敦賀市立看護大学 |
研究代表者 |
長井 麻希江 敦賀市立看護大学, 看護学部, 教授 (40454235)
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研究分担者 |
大江 悠樹 杏林大学, 医学部, 助教 (40722749)
喜多 義邦 敦賀市立看護大学, 看護学部, 教授 (30147524)
杉山 由香里 富山県立大学, 看護学部, 講師 (70509702) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 簡易型認知行動療法 / 慢性不眠障害 / 外来看護 / RCT |
研究実績の概要 |
今年度は①昨年実施したパイロットスタディのデータ分析・成果発表、②次のRCTに向けた準備を実施した。 ①パイロットスタディのデータは不眠の自覚症状(ISI:不眠重症度質問票、AIS:アテネ不眠尺度)及び健康関連QOL(EQ-5d-5L)の自記式質問紙を用いて収集された。データ分析はその変化量の検討、ISIにより判定される不眠症数の評価を行った。また、ISI・AISの介入前後得点の差から効果量(Cohen's d)を算出した。これらの結果は、第19回認知療法・認知行動療法学会(東京、9月)において発表した。 ②RCTの準備として、パイロットスタディの結果から研究計画の修正を行った。まず、包含基準及び除外基準についてより厳密なものとした(例:基準に自記式質問紙による評価を加えるなど)。次に層別無作為割り付けの方法の変更(独立したデータ管理部門の利用)、評価者の盲検化について計画を修正した。また、評価方法として介入のプロセス評価を追加した(ホームワークである睡眠日誌への取り組み状況など)。 しかし、2月以降は新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて研究フィールドとの調整が困難となり、研究協力を辞退されるなど活動が停滞している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度はパイロットスタディのデータ分析・成果発表、次のRCTに向けた準備を実施し、計画を前進させているものの、申請時のタイムスケジュールとしてはやや遅れている。当初の計画では2年目にRCTを開始する予定であったが、パイロットスタディの結果から改善すべき点を多く発見したことや、介入者(外来看護師)のトレーニングに時間を要したことが理由と考えられる。 しかし、これらは当初の計画に少し無理があったとも思われ、今後も研究計画の見直しを進め、共同研究者や連携している施設(国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター)の協力を得ながらRCTを進めることは可能と考えている。ただし、2月以降の新型コロナウィルス感染拡大、緊急事態宣言発令によって研究フィールドとの調整が難しいことから、それをどのように確保していくかが課題となっている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策を考えるにあたり、目前の課題としては①RCT研究計画の見直しと研究倫理審査及びUMIN登録、②研究フィールドの確保と介入の準備、が挙げられる。 ①については先行研究の検討を行いながら、遠隔会議システムを用いて定期的に研究会議を行い、上半期には研究倫理審査及びUMIN登録を実施していきたいと考える。②については現在残る一か所の研究フィールドでRCTが可能か、研究対象者の見積もり数や外来看護師の活動状況等を踏まえて施設との調整を少しずつ進める予定である。その際、施設側の意向を十分に尊重し、時間をかけて進める必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗状況がやや遅れてRCT開始に至らなかったため、無作為割り付け等独立部門におけるデータ管理委託費用、データ入力作業に伴う謝金が発生しなかった。次年度にはRCTを開始する予定であり、繰り越す必要がある。また、パイロットスタディ結果をまとめた論文を投稿中であり、雑誌によっては掲載料が次年度発生する。
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