研究課題/領域番号 |
18K10321
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
神田 直樹 北海道医療大学, 看護福祉学部, 講師 (20734255)
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研究分担者 |
城丸 瑞恵 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (90300053)
牧野 夏子 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教 (80554097) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 医療過疎地域 / 救急看護支援 / 困難 |
研究実績の概要 |
我々の研究グループは、2019年に北海道A市にあるB総合病院の救急外来を担当する看護師(以下、参加者)を対象に救急患者対応の中で抱く困難を明らかにした。その結果、【電話対応での状況把握と対応の難しさ】【救急患者の多様性がもたらす対応の難しさ】【救急患者受け入れ体制・教育の不十分さがもたらす難しさ】【同一医療圏内の他施設の救急医療体制に対する困惑】の4つの困難が明らかとなった。さらに、アクションリサーチによる介入内容を検討するため、B総合病院が抱えている困難から介入課題を明らかした。 分析の結果、優先度の高い介入課題として、重症患者対応や経験の少ない疾患に対する判断などの看護実践上の「知識・技術」に関する課題、医師や救急隊との情報交換や他施設とのやり取りの中で生じている「連携(院内・地域)」に関する課題、経験の浅い看護師に対する「教育」に関する課題、受診相談や不定愁訴や不安の訴えなどの「電話対応スキル」に関する課題の4つが明らかとなった。これらの課題を参加者に提示・意見交換し、「電話対応スキル」に変わり「電話対応業務の煩雑さ」が優先度の高い課題として抽出された。よって、「電話対応業務の煩雑さ」「知識・技術」「連携(院内・地域)」「教育」の4つを最終的な介入課題とした。 今回の結果を先行研究と比較すると、看護師教育や患者対応の知識や技術に関連する課題は同様であったが、電話対応業務の煩雑さのように異なる課題を抱えていた。背景には対応を必要とする患者の特徴や施設特性による救急医療体制が異なることが影響していると考えられた。また、アクションリサーチ法を用いて対話を重ねることにより、研究者の分析を深化させ、より現実的かつ重要な課題の抽出につながったと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は、臨床看護師にインタビューしデータを得ることと、それぞれの困難や課題に対して協働で解決方法を考え、実践を行う、アクションリサーチ法も用いる研究である。臨床看護師と密に接し、現場の状況を研究者が確認・把握しながら進める研究すらいるである。しかし、COVID-19の影響により、医療者の不足や感染リスク回避などから、研究者が臨床現場に赴くことが難しく、研究協力の辞退もあり、現状は1施設のみで研究進行中である。
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今後の研究の推進方策 |
新規の研究協力施設を開拓したい状況であるが、COVID-19感染状況を考えると容易ではない。そのため、現在進行中の1施設への介入を実施し、その結果を報告書としてまとめていく予定である。 現状では、介入課題まで明らかになっているため、実際介入を行いその成果を明らかにしたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響により、研究施設への訪問が中断や遠方の対象施設から研究協力辞退があったこと、学会がオンライン開催であったことなどから旅費が発生しなかった。 次年度は感染拡大状況によるが、研究対象施設への訪問・学会参加の旅費と研究最終年であるため謝礼として使用する予定である。
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