研究課題/領域番号 |
18K10327
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
荻野 夏子 東海大学, 医学部, 講師 (80266600)
|
研究分担者 |
吉川 隆博 東海大学, 医学部, 教授 (00433376)
北村 周美 東海大学, 医学部, 助教 (00631805)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 精神科看護 / 訪問看護 / 身体合併症 |
研究実績の概要 |
2019年度の取り組みとして1次調査の実施および2次調査の部分的な実施をおこなった。 訪問看護サービスが実施されている身体疾患をあわせもつ精神疾患患者の現況を把握するため、1次調査として訪問看護ステーションに調査表を送付した。調査対象は2016年から2018年に日本精神科看護協会主催の精神科訪問看護研修会基礎編に参加した訪問看護ステーションのうち、2019年9月に住所が確認できた806施設である。質問紙の内容は精神疾患患者の受け入れの有無、訪問看護ステーションの基礎データ(設置主体や職員構成、サービス提供体制等)、看護実践ケース報告(最大3例)である。看護実践ケース報告の内容は、疾患名、年齢区分、性別、生活障害の程度、実施したケア、その他(自由記載)などであった。ケースについて氏名や住所などの個人を特定できる情報は収集しなかった。 訪問看護ステーション806か所のうち、166カ所から回答を得た(回収率20.1%)。看護実践ケース報告は計289ケースだった。施設情報とケースの記載状況から131施設(有効回答率78.9%)、231ケース(有効回答率79.9%)を分析対象とした。分析は統計ソフト(SPSS)を用いた。この研究成果を発表するため第30回日本精神保健学会学術集会への演題登録を行った。 加えて、訪問看護サービスが実施されている身体疾患をあわせもつ精神疾患患者の看護の課題について調査するため、2次調査であるグループインタビューへの参加を募った。そして調整ができた8カ所についてインタビュー調査を実施した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
1次調査の調査表送付時に、2次調査への協力依頼のチラシを同封したところ、想定を上回る数の返答があった。そこで2次調査への協力依頼の時期を早めることができた。協力依頼の上、インタビュー実施に進むことができた8カ所の訪問看護ステーションについて、研究計画では2020年度4月からの予定だったグループの時期を早めて実施することができた。 当初の計画以上に進展している理由は、訪問看護ステーションにおいて研究課題への興味関心をもつ看護師が多く存在し、2次調査への協力が得られたためである。
|
今後の研究の推進方策 |
1次調査の結果をまとめ、第30回日本精神保健看護学会での発表を行う。 2次調査については、新型コロナウィルス拡大のため、地域医療に大きな負荷がかかっており、現状でインタビュー調査の実施は困難と思われる。また調査対象地域が全国になり、研究者の移動も困難である。これらのことから、まずはデータの分析に注力する。新型コロナウィルス収束を待ち、2次調査を再開し、データの収集および分析を進める。 昨年までに前倒しで実施できた8カ所のグループインタビュー調査のデータを研究分担者とともにNvivoを用いて分析する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由としては、訪問看護ステーションは移転や統廃合が多く、名簿に記載があるものの現在地の確認できない施設数が多かった。そのため、研究依頼文書の送付数が少なくなり、結果、通信費の使用が少なかった。 使用計画としては、2次調査の施設数を増やし、旅費として使用する。
|