本研究は、生命を脅かす疾患のなかでも重症心不全患者に焦点を当て、治療選択におけるShared decision-making(SDM)を支える多職種協働意思決定支援モデルの柱となる患者の特性と看護師の役割を明らかにした。急性・重症患者看護専門看護師への半構造化面接により、看護師のSDM参画は不十分ながらも、看護独自の取り組みが、多職種協働による意思決定支援へとつながり、患者・家族とのSDMを支える構造になっていることを見出した。さらに再分析により明らかにした重症心不全患者の特性と看護師が担う意思決定支援の役割は、多職種協働による意思決定支援を発展させるものであると考えられた。
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