研究課題/領域番号 |
18K10332
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研究機関 | 姫路大学 |
研究代表者 |
三輪 一美 (槇) 姫路大学, 看護学部, 助教 (20782725)
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研究分担者 |
奥 祥子 姫路大学, 看護学部, 教授 (40284921)
細川 つや子 姫路大学, 看護学部, 教授 (00278996)
大塚 和良 姫路大学, 看護学部, 講師 (10555494)
城尾 恵子 姫路大学, 看護学部, 助手 (50826790)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 心不全 / 意思決定支援 / 緩和ケア / 患者・家族の思い / 看護師の認識 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、心不全患者の思いを尊重した意思決定支援のあり方を明らかにすることである。 現在、循環器疾患患者への緩和ケアに関する先行研究は少なく、特に心不全における患者の思いやニードに着目した研究は見当たらない。 そこで、2018年度は、心不全の緩和ケアにおける意思決定支援の現状と今後の課題を明らかにする目的で、文献検討を行った。研究方法は、2013年から2018年の5年間に発表された文献を対象に医学中央雑誌Web版(Ver.5)を用いて検索した。キーワードは「心不全」「緩和ケア」「意思決定支援」とし、22件の文献が該当した。22件の文献から、心不全の緩和ケアにおける意思決定支援について記載があった7件を抽出した。文献種類は原著論文、研究報告、学会抄録とした。さらに近年の動向を知るために、医学中央雑誌Web版(Ver.5)該当外ではあるが、国内の最新の文献2件を含め検討を行った。分析は、「患者の意思」「看護師の知識・技術」「患者・家族・看護師の認識」の3つについて行った。結果は、現状として、患者・家族が病状を正しく認識していない、看護師の心不全の緩和ケアに関する知識・技術が不足している、患者・家族・医療者の心不全の緩和ケアの認識が不足していることであった。今後の課題は、看護師の心不全の緩和ケアの認識・知識・技術の把握が出来ていない、患者・家族の心不全の緩和ケアに関する認識の把握が出来ていないことであった。これらの結果から、看護師・患者・家族の心不全の緩和ケアに関する認識を明らかにすること、患者・家族が望む意思決定支援を明らかにすることの必要性が示唆された。 この文献検討の結果を、第38回日本看護学会学術集会にて示説発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究に関連する文献検討に時間を要したことと、大学における倫理審査委員会の提出書類の準備に時間を要した。また、研究代表者が体調不良により一時的に治療・療養が必要となったため、研究の進捗が遅延した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、大学における倫理審査が受理された後、全国の循環器病センターの循環器病棟看護師200名に対し、心不全の緩和ケアの認識について質問紙調査を実施する。また、兵庫県内の循環器病棟を有する2施設にて、循環器病棟経験年数5年以上の循環器病棟看護師10名に、心不全の緩和ケアの認識について面接調査を実施する。得られた結果をもとにデータ分析を行う。研究の推進にあたり、研究分担者である循環器内科医師に医学的立場から助言・指導を受ける。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度は、心不全の緩和ケアに関する知見を得るためと、文献検討によって得られた研究成果を発表するため、日本看護科学学会学術集会に参加した。研究分担者の依頼に伴い交通費が発生した。また、研究に関する文献の整理のための物品を購入した。 2019年度は、看護師に対する郵送での質問紙調査や面談を行う予定である。得られたデータをパソコンから統計ソフトにて集計・分析を行うため、調査に関連する物品や旅費、データ分析に関連するパソコンや統計ソフト、プリンターなどの物品が必要である。
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