研究課題/領域番号 |
18K10335
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
緒方 久美子 福岡大学, 医学部, 准教授 (00309981)
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研究分担者 |
佐藤 禮子 東京通信大学, 人間福祉学部, 教授 (90132240)
末次 典恵 宮崎大学, 医学部, 教授 (60363355)
西尾 美登里 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 講師 (20761472) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | クリティカルケア / 外国人患者 / 異文化看護 / コミュニケーション / 現任教育 |
研究実績の概要 |
1.クリティカルケア領域で従事する看護師の異文化看護に関する実態調査 救命救急センターを有する290ヵ所の医療施設(2019年7月現在)において、クリティカルケア領域に従事する看護師を1450名対象に自記式質問紙調査を行い335名を分析対象とした(回収率25.9%、有効回答率89.1%)。対象は男性16.4%、女性83.6%で、平均年齢は35.9±7.59歳であった。クリティカルケア領域の看護経験年数は5~10年未満が38.5%と最も多かった。過去1年間に外国人患者担当した者は85.7%、うち人工呼吸器装着患者は35.2%であった。外国人患者看護に関する困難さと配慮の程度を4件法で尋ねたところ、言語による検査・治療・病状に関する説明、精神的な支援、患者のニーズの把握が上位に挙がった。75.8%に渡航経験があり、28.1%が就職後に外国語学習を経験していた。仕事以外で外国人に会う者は20.3%であった。3.6%異文化看護研修を受講し、3.0%が海外看護研修を経験していた。鈴木(2017)の異文化間感受性尺度(5因子16項目)を使用し、看護師の異文化の感受性をみたところ、外国人患者の担当経験、渡航経験、外国語学習経験、外国人との面会、異文化看護研修や海外看護研修の経験、年齢が有意に関連していた。また、【異文化への関与と配慮】が高い人は外国人患者看護の配慮がよりなされ、【異文化とかかわる自信】の高い人は外国人患者看護困難さが小さく、配慮がよりなされるなどの結果が得られた。クリティカルケア領域に従事する看護師の異文化経験は看護師の異文化間感受性に影響を与えており、感受性の高さは外国人患者看護への実践に影響することが示唆された。本結果は学会及び紙上で発表予定である。 2.クリティカルケア領域の異文化看護教育の実態調査 看護管理者290名を対象に自記式質問紙調査を行った。現在分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実態調査のための倫理審査に時間を要し開始が遅れたことと、収集したデータの分析作業に時間を要しているため。
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今後の研究の推進方策 |
データ収集が終了した2件の実態調査の分析結果をまとめて、学会及び紙上で発表を行う。 次のステップの研究である人工呼吸器装着患者の情報ニーズ尺度の原案を確定し、パイロットスタディのためのフィールドとの調整を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
共同研究者との会議にかかる出張費を使用せずに遠隔等で行ったため。また、研究の進捗が少し遅れているため、次のステップの研究で使用する予定の経費の使用が後ろ倒しになっているため。今後、学会発表等での出張費が発生、共同研究者とともに複数の研究フィールドの調整に入るため会議費、出張費、専門家への謝金等が発生する予定である。
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