研究課題/領域番号 |
18K10337
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
角甲 純 広島大学, 医系科学研究科(保), 助教 (90751438)
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研究分担者 |
小林 成光 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, その他, 助教 (10751414)
大園 康文 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, その他, 准教授 (80615518)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 呼吸困難 / がん / 尺度 |
研究実績の概要 |
2019年度は、研究計画に基づき、①スクリーニングの実施、②対象者への研究協力依頼および、③調査の実施を行ってきた。また、研究対象施設拡充のため、④共同研究実施施設としての調査協力依頼、⑤共同研究実施施設への倫理審査委員会への手続きを行ってきた。さらに、⑥本研究の関連研究の調査を行うとともに、⑦関連研究への著者への連絡をとおして、情報収集を行ってきた。 具体的には、まず、本学では、呼吸器内科医師と協働し、スクリーニングと情報共有を毎週行っている。呼吸器内科医師が対象候補となる患者をピックアップしたリストを作成し、その候補者について、研究者が適格基準のチェックと研究の説明を行っている。本学における対象者は0~2名程度で推移している。次に、共同研究実施施設について、全8施設の倫理審査委員会から承認を得ることができ、スクリーニングを開始している。その他、3施設ほど倫理審査委員会で審査中の施設があり、返答待ちの状況である。全体としては、この1年間で55名の対象者に協力を得ることができた。一方で、現時点では予定症例数を満たさないため、学会などでの発表は行えていない。 関連研究の調査については、関連する研究のキーワードを設定し、出版される論文を毎日チェックしてきた。関連論文が出版された場合には、Letter投稿をとおして、著者とディスカッションを行うとともに、情報収集を行ってきた。 今後については、今年度が最終年度であることから、研究計画の見直し・修正とともに、関連学会への発表および紙面発表できるよう調整していきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究では、治療期100名目標、緩和期100名目標として、3年間での実施修了を見込んでいた。しかし、現在、治療器44名、緩和期17名と、予想以上に対象者が集まらず難渋している。その理由として考えられるのは、①治療期については、入院患者に呼吸困難を有する患者が少ないこと、②緩和期については、調査に回答できる状態にないこと、である。また、治療期については予定された化学療法による入院患者が多く、毎月、同じ患者がスクリーニングにかかり、新規患者が少ないことも原因である。 さらに、昨今の新型コロナウイルス感染症のため、研究を一時中断せざるを得ない状況であることも大きな原因である。
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今後の研究の推進方策 |
既にスクリーニングを開始して1年以上が経過し、研究計画当初から研究実施施設を7施設追加している。しかし、対象者が集まりづらい状況であることから、治療期と緩和期を分けず、「肺がん患者(治療期+緩和期)」を1まとまりとし、全体で100名を目標にする方向に変更することを検討している。その場合、治療期と緩和期については、サブ解析のなかで結果をみていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症による移動制限のため、研究対象施設との打ち合わせに関わる旅費、会議室使用費の支払いがなくなり、次年度使用額が生じた。 2020年度も新型コロナウイルス感染症による移動制限が継続しているため、対面での打ち合わせ等は中止の見込みである。そのため出張旅費としての支出は抑えられることが予測される。一方で、本年度は最終年度であり、本研究の論文化に着手予定である。そのため、次年度使用額と合わせた助成金の使用計画として、統計解析ソフトの購入、英語論文化に伴う英文校正費ならびに投稿費用に利用したいと考えている。また、助成金の一部を共同研究者に分配することによって、共同研究者が所属する府県内での調査が可能となった時点で、スムーズに調査を開始できるよう調整した。
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