研究課題
本研究では、肺がん患者の呼吸困難に対する日本語版Dyspnea-12の信頼性・妥当性を確認することを目的に多施設横断研究を行った。なお、本尺度の日本語版を使用して研究することに対して、原作者(Janelle Yorke氏)に許可を得て行った。2018年度はYorke氏との連絡調整および研究倫理審査委員会への申請を主に行い、2019年度からデータ収集を開始したが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴いデータ収集に難渋した。そのため、最終年度である2020年度から1年延長申請を行い、研究を完遂させることができた。2021年度はデータ解析および論文執筆を行った。データ解析では、収集した113名のデータを用いて収束的妥当性・構成概念妥当性・内的一貫性・判別分析を行い、データをまとめ。本研究結果として、日本語版Dyspnea-12は肺がん患者の呼吸困難の評価ツールとして、高い信頼性・妥当性を有することを確認し、有用であると判断した。データ解析後は、研究班およびYorke氏と確認を行い、論文としてまとめていった。論文は、2022年3月31日にJournal of Pain and Symptom Managementに採択され、現在、In Pressの状態でオンライン出版されている。呼吸困難は多角的視点での評価が重要であると言われており、呼吸困難の質的評価ツールとして新たにDyspnea-12が有用であると確認できたことから、今後の肺がん患者の呼吸困難研究では、評価ツールの1つとして使用可能であり、また、国際比較の活用も可能である。
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Journal of Pain and Symptom Management
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10.1016/j.jpainsymman.2022.04.171