研究課題/領域番号 |
18K10341
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
森 千鶴 筑波大学, 医学医療系, 教授 (00239609)
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研究分担者 |
菅谷 智一 筑波大学, 医学医療系, 助教 (60824307)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 飲酒習慣 / ストレス反応 |
研究実績の概要 |
新型コロナウイルス感染症が、世界中に感染拡大し1年近く経った現在でもなお、終息の目処が立っていない。この感染症を予防するために行動が制限され、メンタルヘルスへの影響も大きいと考える。そのため本研究では、飲酒習慣のある者が、感染予防生活を送るうえでのストレス反応と対処行動を明らかにすることを目的とした。 対象者は、インターネット調査に協力が得られた飲酒習慣のある20~59歳の男女とし、 飲酒習慣及び、ストレス反応、睡眠状況、ストレス対処を調査した。なお、倫理的配慮として研究者の所属機関の倫理員会の承認に加え、対象者本人から同意を得て実施した。 調査の結果、男性167名、女性135名、合計302名であった。感染防止を意識して生活している者は143名、少ししていると回答した者は129名、していないと回答した者は30名であった。飲酒習慣をみると問題なし群は212名、問題飲酒群は64名、危険飲酒群は26名であった。飲酒習慣で問題飲酒群は、感染を防止する生活をしていない、危険飲酒群は少ししていると回答した者が多かった。また、危険飲酒群では、新型コロナウイルス感染防止を意識した生活に伴い飲酒量が増えたと回答した者が多く、ストレス反応としては、自律神経症状が強く、睡眠の質が悪かった。しかし、新型コロナウイルスの感染を防止したことによる収入の変化やコミュニケーション量の変化には関連が認められなかった。危険飲酒群では、ストレス対処行動のうち責任転嫁が高いことが認められたが、他の対処行動には差異が認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度新型コロナウイルス感染症防止のため、研究対象施設に立ち入ることが難しく、研究を進めることができなかった。 そのため、別の形で研究を進めたが、対象者にプログラムを実施することが困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、研究対象施設に立ち入ることが難しい場合には、計画した介入プログラムを紹介し、看護師に実践的に活用してもらい、患者の変化を報告してもらうことや、看護師の意見を聴取するなどしていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度も新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、研究対象施設に立ち入ることが難しいと思われるので、立案した介入計画を看護師に実践してもらい、患者の変化や看護師へのインタビューを行うなど研究方法を変えて実施する。 2021年度に研究実施予定の施設への旅費、配布用介入計画の製本費、インタビューデータのテープ起こし、文献複写並びに消耗品等に使用する。またこれまでに行った研究の成果発表のための学会参加費、これまでに得られたデータを元に作成する論文の投稿費等に充てる。
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